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トランクルームに必要な消防設備とは?無窓階のポイントと施工の流れを静岡県内4店舗の事例で解説【浜松市・静岡市・三島市】

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トランクルームに必要な消防設備とは?無窓階のポイントと施工の流れを静岡県内4店舗の事例で解説【浜松市・静岡市・三島市】

公開日:2026年8月5日

この記事の要点

  • 屋内型トランクルーム(レンタル収納)は、契約上は「レンタルスペース」でも、消防法では利用の実態から主に「(14)項 倉庫」として扱われ、延べ面積や建物の条件に応じて消火器・誘導灯・自動火災報知設備などの設置と、消防署への届出が必要になります(最終的には管轄消防署の判断によります)。
  • トランクルームは窓を塞ぐことが多く「無窓階」と判定されやすいのが特徴です。無窓階になると、誘導灯の設置が必要になる、感知器が熱感知器ではなく煙感知器になる、木造の建物では屋内消火栓が求められることがある、など基準が厳しくなります。
  • 静岡県内のトランクルーム4店舗(浜松市2件・静岡市1件・三島市1件)で当社が行った施工事例をもとに、工事内容と消防手続きの流れを解説します。

「空きテナントや倉庫をトランクルームにしたいが、消防設備は何が必要なのか」「無人運営の店舗でも、消防署への届出は必要なのか」。トランクルームの出店を担当されている方から、このようなご相談をいただくことが増えています。

結論からお伝えすると、屋内型トランクルームは消防法上、倉庫として扱われることが多く、延べ面積や建物の条件に応じて消火器・誘導灯・自動火災報知設備などの設置が必要になります。そして、トランクルームならではの最大のポイントが、窓を塞いだ空間ゆえの「無窓階」の判定です。無窓階になるかどうかで、必要な設備が大きく変わります。

この記事では、静岡県内のトランクルーム4店舗(浜松市2件・静岡市1件・三島市1件)で当社が実際に行った消防設備工事の内容をもとに、トランクルームに必要な消防設備と施工の流れを解説します。監修は、消防設備士(甲種第1類・第4類・第5類/乙種第6類・第7類)・第二種電気工事士・防火対象物点検資格者の資格を持つ宮本(町田支店)が担当しました。

トランクルームは消防法上どんな扱いになるのか

屋内型のトランクルーム(レンタル収納スペース)は、契約のうえでは、収納のためのスペースを貸し出す「レンタルスペース」です。しかし、消防法では名称や契約形態ではなく利用の実態で用途が判断されます。物品を保管するという実態から、多くの場合、消防法別表第一の(14)項「倉庫」として扱われます。ただし、用途区分は建物の利用実態によって判断が分かれることがあり、一律ではありません。倉庫として扱われる場合、延べ面積などの条件に応じて、消防法令等に基づき消火器や自動火災報知設備などの設置義務が生じます。

また、注意が必要なのは、トランクルームの多くがテナントビルや商業施設の一区画に出店するケースです。この場合、消防設備の設置基準はトランクルームの区画単体ではなく、建物全体の用途や構造・面積など(複合用途防火対象物としての条件)で判定されることがあります。同じ広さのトランクルームでも、入居する建物によって必要な設備が変わるということです。

さらに、消防法とは別に建築基準法にも注意が必要です。既存のテナントをトランクルームに転用する場合、建築基準法上の用途変更に該当し、確認申請などの手続きが必要になる場合があります。また、ビルの駐車場部分をつぶしてトランクルームに転用すると、駐車場に認められている容積率の緩和が使えなくなり、建物全体が容積率違反になってしまうおそれもあります。消防と建築の両面から、計画段階での確認が欠かせません。建物の規模や従前の用途によって扱いが変わるため、建築士や特定行政庁への確認もあわせて行ってください。

用途の判定は最終的に管轄の消防長または消防署長の判断によるため、出店を検討している段階で消防署に相談しておくことが、後戻りのない計画のポイントです。当社では、この消防署への事前相談の段階からお手伝いし、現地調査の際には、トランクルームの区画だけでなくビル全体との兼ね合いまで考えたアドバイスを行っています。

最大のポイントは「無窓階」の判定

トランクルームの消防設備を計画するうえで、最も重要なのが「無窓階(むそうかい)」の判定です。

無窓階とは、避難や消防隊の進入に有効な開口部(窓など)が、床面積に対して一定の基準に満たない階のことです(消防法施行規則第5条の3)。窓がない、または窓が小さい・塞がれている階は、火災のときに煙がこもりやすく、避難も消火活動も難しくなるため、消防設備の基準が普通階より厳しく定められています。

トランクルームでは、保管する物品を直射日光から守るため、窓をフィルムなどで目張りして塞ぐことが多くあります。収納区画は人が継続的に過ごす建築基準法上の「居室」ではないため、窓を塞ぐことに支障がないという事情もあり、防犯の観点からも窓は塞がれがちです。さらに見落とされやすいのが、物理的に窓を塞がなくても、窓のあるスペースを一つの収納室として貸し出し、契約者など特定の人しか出入りできない状態にすると、その窓は避難や進入に有効な開口部と認められず、無窓階に該当することがあるという点です。こうした事情から、トランクルームは無窓階と判定されることが少なくありません。無窓階と判定されると、主に次の点が変わります。

トランクルームが無窓階と判定された場合に変わる主なポイント
項目 無窓階になると
誘導灯 倉庫((14)項)では、地階・無窓階・11階以上の階で誘導灯の設置が義務になります。トランクルームは無窓階の判定により、誘導灯の設置が必要になることがあります
感知器の種別 自動火災報知設備を設置する場合、感知器は熱感知器ではなく煙感知器(光電式など)が求められます。熱よりも先に発生する煙の段階で捉え、より早く火災を感知するためです。
自動火災報知設備の面積基準 倉庫では延べ面積500㎡以上が一般的な目安ですが、無窓階(地階・3階以上の階も同様)では床面積300㎡以上と、より小さい面積から設置が必要になります。
屋内消火栓設備 木造(耐火・準耐火構造でない)の建物で無窓階の場合、屋内消火栓の設置が求められることがあります。構造によって基準となる面積が大きく変わる設備です。

つまり、同じ広さのトランクルームでも、窓の有無や建物の構造によって、「誘導灯と消火器だけで足りる店舗」と「煙感知器の自動火災報知設備や屋内消火栓まで必要な店舗」に分かれます。屋内消火栓については、鉄筋コンクリート造の建物であっても、木造の小屋などを増築している場合には耐火構造としての緩和が使えず、設置を求められることがある点にも注意が必要です。無窓階かどうかの判定には開口部の大きさ・位置・構造の細かい基準があり、最終的には管轄消防署の判断となるため、計画段階での確認が欠かせません。

トランクルームに必要となる主な消防設備

トランクルームが倉庫((14)項)として扱われる場合の、主な消防設備の設置基準の目安は次のとおりです。

トランクルーム(倉庫扱い)に必要となる主な消防設備の目安
設備 設置が必要になる目安 根拠
消火器 延べ面積150㎡以上 消防法施行令 第10条
誘導灯(避難口・通路) 地階・無窓階・11階以上の階で設置義務。トランクルームは無窓階の判定により必要になることが多い(避難口を容易に見通せる場合などの免除規定あり) 消防法施行令 第26条・消防法施行規則 第28条の2
自動火災報知設備 延べ面積500㎡以上が一般的な目安(無窓階・地階・3階以上の階は床面積300㎡以上など、建物の条件により異なる) 消防法施行令 第21条
屋内消火栓設備 延べ面積700㎡以上が目安(耐火・準耐火構造では緩和あり。木造の建物で無窓階の場合は、より小さい面積でも必要になることがある) 消防法施行令 第11条
非常灯(非常用照明装置) 収納区画は「居室」ではないため本来は不要と考えることもできるが、所轄の消防署によっては誘導灯の代わりに設置を求められることがある。消防法の誘導灯とは別の、建築基準法に基づく設備 建築基準法施行令 第126条の4

※上記はあくまで一般的な目安です。設置義務の有無は、建物全体の用途・構造・面積などの条件により消防法令等に基づいて判断され、最終的には管轄の消防長または消防署長の判断によります。複合用途の建物ではスプリンクラー設備が関係することもあります。個別の建物については、当社までご相談ください

誘導灯は「窓を塞いだ空間」だからこそ重要

トランクルームの室内は、窓を塞ぎ、パーティションで通路が入り組んだ空間になります。停電時や火災時には方向感覚を失いやすいため、避難口誘導灯と通路誘導灯が、利用者の安全を守る重要な設備になります。なお、非常灯(非常用照明装置)は、収納区画が「居室」ではないためそもそも不要と考えることもできますが、所轄の消防署によっては誘導灯の代わりに設置を求められることもあります。このあたりの判断も、事前相談の段階で消防署と確認しておくと安心です。

誘導灯は「営業時間だけ点ける照明」ではなく、常時点灯が原則の設備です。そのため分電盤には誘導灯専用の回路を設け、誤って電源を切られないようにします。当社の工事では、分電盤の回路表示の整備まで含めて施工しています。

トランクルームの分電盤に設けた誘導灯専用回路。回路名札に「誘導灯」と表示し、誤って電源を切られないようにしている

トランクルームならではの4つの注意点

① パーティション区画とスプリンクラー・感知器の関係

トランクルームは、ひとつのフロアをパーティションで数十の収納区画に仕切ります。ここで見落とされがちなのが、既存のスプリンクラー設備や火災感知器との関係です。

もともとスプリンクラー設備のある建物にパーティションを新設すると、スプリンクラーヘッドの散水がパーティションに遮られ、水のかからない区画(散水障害)が生じることがあります。感知器も同様に、区画割りによっては警戒できない範囲が生まれます。この状態は消防検査で指摘の対象になり、レイアウト確定後に是正しようとすると手戻りが大きくなります。

また、スプリンクラーや火災感知器については、収納区画の網(メッシュ)の透過率(網の粗さ)やパーティションの高さなどの資料を消防署に提出し、増設・移設の必要性を証明するように求められることもあります。当社は社員のほとんどが消防設備士の甲種第1類(スプリンクラー設備など)と甲種第4類(自動火災報知設備など)を保有していますので、こうした技術資料の作成から消防署との協議まで、責任を持って対応いたします。

当社では、レイアウト計画の段階で図面を作成し、管轄消防署と事前に確認・調整を行ってから工事に入ります。後述する三島市の事例では、このスプリンクラーの事前確認・調整を実際に行いました。

② 無人運営だからこそ、設備と表示で備える

トランクルームの多くはスタッフが常駐しない無人運営です。火災の際にその場で対応できる従業員がいないため、利用者が自分で初期消火・避難できるよう、消火器の設置位置をわかりやすくする標識付きの設置台や、避難方向を示す誘導灯の配置が重要になります。外壁には、消防隊が進入する開口部を示す進入口マーク(赤い三角マーク)の表示が必要になる場合もあります。

標識付きの設置台に設置した粉末消火器10型。無人運営のトランクルームでも利用者がすぐに見つけられる

③ 防火管理者の選任が必要になることも

防火管理者の選任が必要かどうかは、トランクルームの区画単体ではなく、建物全体の収容人員をもとに判断されます。そのため、無人運営のトランクルームでも、入居するビルによっては、防火管理者の資格取得(講習の受講)、消防計画の作成と消防署への届出が必要になることがあります。出店してから気づくと負担の大きい手続きですが、当社では防火管理者の選任や消防計画の作成・届出のサポートも行っています。

④ 開業前の消防手続きを忘れずに

設備の設置だけでなく、開業前には消防署への届出が必要です。代表的なものは次の2つです。

  • 防火対象物使用開始届:建物や区画を新たに使い始めるとき、各市町村の火災予防条例に基づいて届け出ます(使用開始の7日前までとする自治体が一般的です。要否・期限は各市町村の火災予防条例によります)。使用開始届の提出が消防検査を予約するための要件になっていることも多いため、早めの提出をおすすめします。
  • 消防用設備等の設置届:自動火災報知設備や誘導灯などを設置した後、工事完了から4日以内に届け出て、必要に応じて消防検査を受けます。

当社は、これらの届出書類の作成・提出から消防検査の立ち会いまで一括で対応しますので、オーナー様・運営会社様の手を煩わせません。

よくある間違い

  • 「倉庫で普段は誰もいないし、火も使わないので消防設備はいらない」→ 人の常駐や火気使用の有無にかかわらず、倉庫((14)項)でも延べ面積などの条件に応じて消火器・自動火災報知設備などの設置義務があります。
  • 「無人運営だから届出は不要」→ 無人の店舗でも、防火対象物使用開始届や設置届などの消防手続きは必要です。防火管理者の選任が必要になる場合もあります。
  • 「パーティションを立てるだけだから相談はいらない」→ パーティションの新設はスプリンクラーの散水障害や無窓階の判定に影響します。工事前の消防署への確認をおすすめします。

静岡県内4店舗の施工事例

ここからは、同じ運営会社様より継続してご依頼いただいた、静岡県内のトランクルーム4店舗(浜松市2件・静岡市1件・三島市1件)の施工事例をご紹介します。4店舗はいずれも新規開業に伴う工事です。設備を新たに設置した店舗(三島市・静岡市)と、建物に残っていた既存の設備を更新して開業した店舗(浜松市2件)があり、物件の状況によって工事内容がどう変わるかの目安にしていただけます。

トランクルーム4店舗の消防設備工事の比較
店舗エリア 区分 主な工事内容 消防手続き
静岡県三島市 新規開業(設備の新設) LED誘導灯2台の新設、消火器・設置台、スプリンクラーの事前確認・調整 設置届、使用開始届
静岡県静岡市 新規開業(設備の新設) LED誘導灯4台の新設、非常灯3台の交換、消火器・設置台、進入口マーク 使用開始届
静岡県浜松市(1店舗目) 新規開業(既存設備の更新) 感知器11箇所の交換(煙・熱)、誘導灯・非常灯10台の交換、消火器、排煙窓の整備 着工届、設置届、使用開始届、消防検査の立ち会い
静岡県浜松市(2店舗目) 新規開業(既存設備の更新) 煙感知器7箇所の交換、誘導灯3台の交換、消火器 設置届、使用開始届、消防検査の立ち会い、消防署への事前相談

事例1:三島市|新規開業・最小構成の新設工事

事例1(三島市)の工事概要
項目 内容
所在地 静岡県三島市
工事内容 LED誘導灯(B級・片面)2台の新設、配線・電源工事、粉末消火器(10型)・標識付き設置台の設置
消防手続き 設置届・防火対象物使用開始届の作成・届出、スプリンクラー設備の事前確認・調整(図面作成含む)

スプリンクラー設備のある建物への出店だったため、パーティション区画による散水障害が生じないか、図面を作成して管轄消防署と事前に確認・調整を行いました。設置した設備自体は誘導灯2台と消火器というシンプルな構成ですが、この「事前の消防調整」こそがトランクルーム出店をスムーズに進める鍵になります。

トランクルームに新設したLED避難口誘導灯。空調機の近くでも視認しやすい位置を選んで設置している 標識付きの設置台に設置した粉末消火器10型。無人運営のトランクルームでも利用者がすぐに見つけられる

事例2:静岡市|新規開業・誘導灯新設+非常灯交換

事例2(静岡市)の工事概要
項目 内容
所在地 静岡県静岡市
工事内容 LED誘導灯の新設4台(避難口・片面2台/通路・両面2台)、配線・電源工事、LED非常灯(天井埋込型)3台の交換、粉末消火器(10型)・設置台の設置、消防隊進入口マークの貼り付け
消防手続き 防火対象物使用開始届の作成・届出

避難口までの通路が長い店内レイアウトだったため、避難口誘導灯に加えて両面表示の通路誘導灯を配置し、どの区画からでも避難方向がわかるようにしました。非常灯は既存器具をLEDタイプへ交換し、既存の天井開口を活かすリニューアルプレートを使うことで、天井の補修工事を省いてコストを抑えています。あわせて、消防隊が進入する開口部を示す進入口マークの表示も行いました。

トランクルームの通路に新設した両面表示のLED通路誘導灯。入り組んだ通路のどちら側からも避難方向がわかる 避難口の上部に新設したLED避難口誘導灯(C級) トランクルーム庫内の様子。収納区画の通路上に誘導灯・照明・火災感知器を配置している

事例3:浜松市(1店舗目)|新規開業・既存設備の一斉更新

事例3(浜松市・1店舗目)の工事概要
項目 内容
所在地 静岡県浜松市
工事内容 自動火災報知設備の感知器11箇所の交換(光電式スポット型〔煙感知器〕6台・定温式スポット型防水型〔熱感知器〕5台)と増設配線、LED誘導灯4台・LED非常灯6台の交換、粉末消火器(10型)・設置台の設置、排煙窓の開閉ワイヤー張替え(5箇所)とハンドルボックス移設
消防手続き 着工届・設置届・防火対象物使用開始届の作成・届出、消防検査の立ち会い

こちらは、新規開業にあたり、建物に残っていた既存の設備を一斉に更新した事例です。収納区画のある屋内には、煙の段階で火災を早く捉える光電式の煙感知器を、屋外の軒下など水気の影響を受ける場所には防水型の定温式熱感知器を、場所ごとに使い分けています。誘導灯は経年で不点灯になっていた器具をLEDタイプへ交換し、屋外の店舗出入口には雨がかりに対応した防滴型(屋外用)を採用しました。20年以上経過していた地区音響装置(ベル)の交換も、あわせて行っています。

交換前の蛍光灯タイプの誘導灯。経年劣化で不点灯になっていた LED誘導灯への交換後の点灯チェック。充電モニターとランプモニターの状態も確認する 交換前の地区音響装置(ベル)。2004年製で20年以上経過していた 新しく交換した地区音響装置(ベル) 屋外の軒下に設置した防水型の定温式熱感知器 屋外の店舗出入口に設置した防滴型(屋外用)のLED誘導灯

特徴的なのは、消防設備だけでなく排煙窓の整備まで同時に行った点です。トランクルームはレンタルスペースもしくは倉庫であり、人が継続的に過ごす「居室」ではないため、本来であれば排煙設備は不要となるはずの空間です。しかし、消防署によっては既存の排煙窓を活かすように指示されることもあり、その場合は排煙オペレーター(ハンドルボックス)の移設・修理や、ワイヤーの延長・張替えといった対応を行うことが多くあります。排煙窓はハンドル操作でワイヤーを介して窓を開閉する仕組みのため、経年でワイヤーが伸びたり錆びたりすると、いざというときに窓が開きません。今回はワイヤー5箇所の張替えとハンドルボックスの移設を行い、確実に開閉できる状態に戻しました。消防設備の点検・工事と同じタイミングでまとめて施工することで、出向回数を減らし、店舗側の負担を抑えられます。

移設した排煙窓のハンドルボックス(排煙オペレーター)。ハンドル操作でワイヤーを介して排煙窓を開閉する ワイヤー張替え後の排煙窓。開閉動作を実際に確認する

工事の仕上げには、交換した煙感知器に実際に疑似煙を当てて作動を確かめる加煙試験、配線の劣化を測定する絶縁抵抗試験、誘導灯の点灯・充電状態のチェックを行い、そのうえで消防検査に立ち会いました。設備は「付けて終わり」ではなく、確実に作動する状態で引き渡すことを徹底しています。

トランクルームの煙感知器の加煙試験。交換後に実際に疑似煙を当てて作動を確認する 自動火災報知設備の絶縁抵抗試験。配線の劣化がないか測定する

事例4:浜松市(2店舗目)|新規開業・煙感知器と誘導灯の更新

事例4(浜松市・2店舗目)の工事概要
項目 内容
所在地 静岡県浜松市
工事内容 自動火災報知設備の感知器7箇所の交換(光電式スポット型〔煙感知器〕)、LED誘導灯3台の交換(避難口・片面1台/通路・両面2台)、配線工事、粉末消火器(10型)・設置台の設置
消防手続き 設置届・防火対象物使用開始届の作成・届出、消防検査の立ち会い、消防署への事前相談(事前現地調査)

同じ浜松市内のもう1店舗でも、同時期に新規開業に伴う設備更新を行いました。こちらの店舗の感知器はすべて光電式の煙感知器です。窓を塞いだトランクルームの空間では、煙の段階で早く火災を捉えることが重要になるためです。誘導灯は避難口用と両面表示の通路用をあわせて3台交換しました。

事前の現地調査では消防署への相談も行い、工事後は設置届の提出と消防検査の立ち会いまで対応しています。1店舗目と同時期にまとめて施工したことで、遠方への出向を効率化し、運営会社様の窓口もひとつにまとまりました。

トランクルーム店内の天井に設置した火災感知器と照明。窓を塞いだ空間では煙の早期感知が重要になる トランクルーム庫内のLED避難口誘導灯。出入口の上に設置し、防犯カメラとあわせて庫内の安全を確保している 浜松市のトランクルームで更新した消防設備

トランクルームの消防設備工事の費用について

トランクルームの消防設備工事の費用は、建物の規模・構造、無窓階かどうかの判定、必要となる設備の構成、既存配線の状態、消防手続きの範囲によって大きく変わります。誘導灯と消火器のみのシンプルな新設で済む店舗もあれば、煙感知器の自動火災報知設備や排煙窓の整備まで必要になる店舗もあるためです。

当社では、現地調査のうえ、設備ごとの内訳がわかるお見積りを作成しています。現地調査・お見積りは無料ですので、図面の段階からお気軽にご相談ください。

トランクルームの出店・運営をご検討中の方へ。図面の段階からのご相談も歓迎です。現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせはこちら

開業までの消防手続きの流れ

トランクルームの開業までに必要な消防関係の手続きは、おおまかに次の流れになります。

  1. 事前相談・現地調査:建物の用途判定や無窓階の判定、必要設備について、図面をもとに管轄消防署と事前に相談・協議します。スプリンクラー設備のある建物では、この段階で区画レイアウトの調整を行います。
  2. 着工届の提出(自動火災報知設備・スプリンクラー設備など、工事整備対象設備等に該当する場合):工事に着手する10日前までに、甲種消防設備士が届け出ます。誘導灯や消火器のみの工事では不要な場合があります。
  3. 設備の設置工事:誘導灯・消火器・感知器などを設置します。当社は電気工事もあわせて行えるため、消防設備業者と電気工事業者を別々に手配する必要がありません。
  4. 設置届の提出・消防検査:工事完了から4日以内に設置届を提出し、必要に応じて消防検査を受けます。当社が検査に立ち会います。
  5. 防火対象物使用開始届の提出:使用開始の7日前までに届け出ます(要否・期限は各市町村の火災予防条例によります)。

開業後は、消防設備の法定点検(機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回)と報告が必要です。当社では工事後の消防設備点検まで継続してお引き受けしています。

自治体ごとの「ローカルルール」にも対応。遠方の店舗もまとめてご依頼いただけます

見落とされがちですが、消防設備の設置方法には、消防法令に加えて自治体ごとの火災予防条例や運用上のローカルルールがあります。たとえば、誘導灯や非常灯(階段通路誘導灯)の電源の取り方は静岡市と浜松市で異なりますし、船橋市と千葉市では機器の細かな配置の考え方が異なることもあります。同じ設備でも、市が変われば「正解」が変わるのです。

こうした判断の積み重ねは、担当する消防設備士の力量・経験・姿勢に左右される部分が大きく、見落としがあると消防検査で是正を求められ、予定どおり開店できないといった問題につながりかねません。だからこそ、幅広いエリアで管轄消防署との協議を丁寧に行っている業者に、一括して任せることをおすすめします。

当社は1976年の創業以来50年、消防設備の設計・施工・点検を自社施工で行ってきました。拠点は東京都(新宿本社/町田支店)、神奈川県(横浜本社)、埼玉県(川口市)、千葉県(市川市)にあり、一都三県を中心に、今回の浜松市・静岡市・三島市のように静岡県など近隣県の店舗へも出向して対応しています。群馬県・栃木県・茨城県では定期的な消防設備点検も請け負っており、複数店舗をまとめてご依頼いただければ、点検・工事ともに対応が可能です。

また、チヨダ防災では、今回のような出張工事の際、ひとつの拠点だけで完結させるのではなく、複数の拠点から社員を出し合い、社内の交流を深めることも兼ねて対応しています。本工事も、代表取締役、千葉支店長、横浜副事業所長、そして町田支店の宮本という、拠点も役職もまたいだメンバーで施工しました。経営層から若手まで一緒に現場に立つことで、技術やノウハウが拠点を越えて共有され、どの店舗でも同じ品質で施工できる体制につながっています。こうした社風に興味を持っていただけた方は、採用情報もぜひご覧ください。

複数店舗を展開されている運営会社様の場合、店舗ごとに地元業者を探して仕様や品質がばらつくよりも、1社にまとめてご依頼いただくほうが、機器仕様の統一・書類のフォーマット統一・窓口の一本化というメリットがあります。今回の4店舗も、同じ運営会社様から継続してご依頼いただいたものです。

当社の強みについて詳しくはこちらのページをご覧ください。

よくあるご質問

Q. トランクルームを開業する場合、消防設備は必要ですか?

A. 屋内型のトランクルームは多くの場合、消防法上の倉庫として扱われ、延べ面積などの条件に応じて消火器・誘導灯・自動火災報知設備などの設置が必要になります。テナントビルに入居する場合は建物全体の用途や構造で判定されるため、物件ごとに必要な設備が変わります。まずは図面をもとにご相談ください。

Q. 無窓階とは何ですか?トランクルームは無窓階になりますか?

A. 無窓階とは、避難や消防隊の進入に有効な窓などの開口部が一定の基準に満たない階のことです。トランクルームは日光を遮るために窓をフィルムなどで目張りすることが多く、また窓のあるスペースを特定の人しか出入りできない収納室にすると窓が有効な開口部と認められないため、無窓階と判定されることが少なくありません。無窓階になると、誘導灯の設置が必要になったり、感知器が煙感知器になったりと、消防設備の基準が厳しくなります。判定は開口部の大きさや構造の基準に基づき、最終的には管轄消防署の判断によります。

Q. どのタイミングで相談すればよいですか?

A. 収納区画のレイアウトを確定する前が理想です。特にスプリンクラー設備のある建物では、パーティションの配置によって散水障害が生じないか、消防署との事前確認が必要になります。レイアウト確定後の手戻りを防ぐため、物件検討の段階からのご相談をおすすめします。

Q. 消防署への届出も任せられますか?

A. はい。着工届・設置届・防火対象物使用開始届の作成から提出、消防検査の立ち会いまで一括で対応します。消防署との事前相談・協議にも当社が対応しますので、オーナー様・運営会社様に消防の専門知識は必要ありません。

Q. 無人のトランクルームでも防火管理者は必要ですか?

A. 防火管理者の要否は、トランクルームの区画単体ではなく建物全体の収容人員をもとに判断されます。そのため、無人運営でも、入居するビルによっては防火管理者の選任が必要になることがあります。その場合は資格取得(講習の受講)、消防計画の作成・届出が必要です。当社ではこれらの手続きのサポートも行っています。

Q. 屋外のコンテナ型トランクルームにも消防設備は必要ですか?

A. コンテナ型のトランクルームは、建築基準法上「建築物」として扱われ、建築確認などの手続きが必要になる場合があります。消防設備についても、規模や設置形態によって必要になることがあります。屋内型と同様に、計画の段階で特定行政庁や管轄消防署への確認をおすすめします。

Q. 営業中の店舗でも工事できますか?

A. できます。三島市の事例のように、営業中の建物の中で施工した実績があります。利用者やお客様の出入りに配慮した工程を組み、施工いたします。

Q. 工事だけでなく、消防設備点検だけの依頼もできますか?

A. できます。消防設備は設置後、機器点検を6か月に1回、総合点検を1年に1回行い、消防署へ報告することが義務付けられています。点検のみのご依頼も承っていますので、消防設備点検のページをご覧ください。

Q. 静岡県など、東京から離れた店舗でも対応できますか?

A. 対応できます。当社は一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の5拠点を中心に、静岡県・山梨県・群馬県・栃木県・茨城県などの近隣県へも出向して施工しています。群馬県・栃木県・茨城県では定期的な消防設備点検も請け負っており、複数店舗をまとめてご依頼いただければ、点検・工事ともに対応できます。

まとめ

トランクルームの消防設備は、「倉庫としての設置基準」「入居する建物全体の用途・構造」「無窓階の判定」「パーティション区画と既存設備の関係」という視点で計画する必要があります。特に無窓階の判定は、誘導灯の要否や感知器の種別(熱感知器か煙感知器か)、木造建物での屋内消火栓の要否まで左右する、トランクルームならではの重要ポイントです。さらに、自治体ごとのローカルルールや、防火管理者・建築基準法(用途変更・容積率)まで含めて、消防署への事前相談と届出をセットで進めることが、スムーズな開業の近道です。

チヨダ防災株式会社は、静岡県内4店舗(浜松市・静岡市・三島市)の実績をはじめ、トランクルームの消防設備工事を消防手続きまで一括でお引き受けしています。新規出店のご計画も、既存店舗の設備更新も、お気軽にご相談ください。

現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせはこちら/消防設備工事のサービス内容はこちら

この記事の監修者

チヨダ防災株式会社 町田支店 宮本 昂幸
消防設備士(甲種第1類・第4類・第5類/乙種第6類・第7類)/第二種電気工事士/防火対象物点検資格者
消防設備の設計・施工・点検の現場に携わり、トランクルーム・共同住宅・テナントビルなど幅広い建物の消防設備工事を担当しています。本記事は、事例を含む全体を監修者の宮本が担当しました。

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