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ハロン1301消火設備の更新工事と費用|設置30年・容器弁点検の前に一式交換【東京都板橋区の施工事例】

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ハロン1301消火設備の更新工事と費用|設置30年・容器弁点検の前に一式交換【東京都板橋区の施工事例】

公開日:2020年10月26日/編集公開日:2026年8月19日

この記事の要点

  • 東京都板橋区のマンション地下駐車場で、設置後まもなく30年を迎えるハロゲン化物消火設備(ハロン1301)一式を、工期2日間・工事金額665万5,000円(税込・2020年施工当時)で更新した施工事例です。
  • ガス系消火設備の容器弁は、原則として設置後30年(二酸化炭素は25年)を経過するまでに、安全性点検(耐圧点検等)を実施することとされています(消防庁告示)。
  • ハロン1301は現在生産されていませんが、回収された既存のハロンをリサイクルして使い続けることが認められており、今回の工事でも、リサイクルされたハロンを充填した新品の貯蔵容器を新設しました。
  • 設置後20年を経過している建物では、次回の消防設備点検までに「点検か更新か」の現地調査・見積比較をしておくことをお奨めします。

「マンションの地下駐車場に設置したハロン消火設備が、そろそろ設置から30年になる」「容器弁の安全性点検が必要と言われたが、点検と更新のどちらがよいのか分からない」「ハロンはもう生産されていないと聞いたが、更新はできるのか」——ビルオーナー様や管理会社のご担当者様から、このようなご相談をいただくことが増えています。

本記事では、東京都板橋区の共同住宅(マンション)の地下駐車場で実施した、ハロゲン化物消火設備一式の更新工事の様子を写真とともにご紹介し、更新時期の考え方、容器弁の安全性点検の制度、そしてハロン1301を今も使い続けられる理由について解説します。

【この記事の監修者】
チヨダ防災株式会社 副社長 清水 健一郎
消防設備士(甲種第1類〜第5類/乙種第6類・第7類)/防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者
新宿エリアを中心に、消防設備の設計・施工・点検に28年従事。

ハロゲン化物消火設備とは

ハロゲン化物消火設備は、水による消火が適さない場所に設置されるガス系の消火設備です。マンションやビルの駐車場のほか、通信機器室・電気室・サーバー室など、水をかけると車両や機器が損傷してしまう場所で採用されており、火災を感知すると防護区画内に消火剤(ハロゲン化物)を放出して消火します。

消火の仕組みは、大きく次の2つです。

  • 負触媒効果——ハロゲン元素が火災の燃焼連鎖反応を化学的に抑制します。
  • 窒息効果——防護区画内の酸素濃度を下げ、燃焼を継続できなくします。

水損(水による二次被害)を出さずに消火できることに加え、今回の消火剤であるハロン1301は、消火に必要な設計濃度での毒性が比較的低いことから、駐車場のように人が立ち入る可能性のある場所でも古くから使われてきた消火剤です。ただし、消火剤の放出時には音声警報に従って防護区画の外へ退避するなど、安全確保を前提に運用される設備です。

今回の工事概要

工事概要(東京都板橋区・ハロゲン化物消火設備一式更新工事)
所在地 東京都板橋区
建物用途 共同住宅(マンション)
防護区画 地下駐車場
消火剤 ハロン1301(回収・リサイクルされたハロンを充填した新品の貯蔵容器を新設)
工事内容 ハロゲン化物消火設備一式の更新(ハロン貯蔵容器・起動用ガス容器・制御盤・非常電源装置・遠隔起動操作箱・放出表示灯・音声警報スピーカー等)、消防署への着工届・設置届の提出、消防検査の立会い
工事のきっかけ 設置後まもなく30年を経過し、容器弁の耐圧性能点検(安全性点検)が必要な時期を迎えたため
工期 2日間
工事金額 665万5,000円(税込)※

※2020年の施工当時の金額です。現在の資材・人件費の相場のほか、建物規模、貯蔵容器の本数、設備構成、防護区画の数や広さ、施工範囲などの施工条件により、お見積り額は変動します。詳しくは現地調査のうえ、お見積りいたします(現地調査・お見積りは無料です)。

なぜ更新?容器弁の安全性点検(設置後30年)とは

【結論】ガス系消火設備の容器弁は、原則として設置後(または前回の安全性点検後)30年(二酸化炭素は25年)を経過するまでに、安全性点検を行うこととされています。ただし、点検には容器の工場搬出と代替機器の仮設が必要なため、実務では設備一式の更新を選択されるケースが多くあります。

今回の更新工事のきっかけは、「容器弁の安全性点検」の期限でした。

容器弁とは、消火剤を保管している貯蔵容器(ボンベ)の先端に取り付けられているバルブ部分のことです。経年劣化や腐食が進むと、いざというときに消火剤が放出されない、あるいは誤って放出されてしまうおそれがあります。しかし、通常の外観点検では容器弁内部の劣化状況までは確認できません。

そこで、消防庁告示(平成25年消防庁告示第19号)により点検基準が改正され、ガス系消火設備の容器弁については、原則として次の期限までに安全性点検を行うこととされています。

容器弁の安全性点検の期限(平成25年消防庁告示第19号)
対象設備 点検の期限
ハロゲン化物消火設備・二酸化炭素以外の不活性ガス消火設備(窒素等)・粉末消火設備・パッケージ型消火設備 等 設置後(または前回の安全性点検後)30年を経過するまで
二酸化炭素消火設備 設置後(または前回の安全性点検後)25年を経過するまで

安全性点検では、外観点検のほか、構造・形状・寸法の点検、耐圧点検、気密点検、安全装置の作動点検などを行います。耐圧点検などは設置場所では実施できないため、容器を設置場所から搬出し、メーカー等の工場で点検する必要があり、相応の費用と期間がかかります。さらに、容器を工場へ送っている間も建物の消火設備は機能させておかなければならないため、点検期間中は代替の容器・機器を仮設しておく必要があります。こうした負担から、実務上は容器弁の安全性点検ではなく、容器ごとの交換を含む設備更新を選択されるケースが多くあります。

容器弁の安全性点検と設備一式更新の比較
項目 容器弁の安全性点検 設備一式の更新
容器 設置場所から搬出し、メーカー等の工場で耐圧点検等を実施 リサイクルハロンを充填した新品容器(容器弁も新品)に交換
点検・工事の間 代替の容器・機器の仮設が必要 本事例では工期2日間で完了
制御盤・蓄電池などの周辺機器 点検の対象外(老朽化はそのまま残る) 同時に新品へ更新できる

今回の建物でも、設置後まもなく30年を経過するタイミングであったこと、また制御盤や非常電源装置など周辺機器も同様に年数が経過していたことから、設備一式の更新をご選択いただきました。

生産中止のハロン1301をなぜ使い続けられるのか——ガスはリサイクル、容器は新品に

【結論】ハロン1301は1994年に生産が全廃されましたが、使用は禁止されていません。回収・リサイクルされたハロンを新品の容器に充填して使い続ける仕組み(リサイクルシステム)が、消防庁・環境省等の関与のもとで運用されており、既設設備の更新は今も可能です。

「ハロンはもう生産されていないのに、更新工事ができるのですか?」——これは、ハロン消火設備をお持ちのお客様から最も多くいただくご質問のひとつです。

ハロン1301はオゾン層を破壊する物質にあたるため、モントリオール議定書に基づき、1994年(平成6年)以降、新たな生産は行われていません。ただし、使用が禁止されたわけではありません。必要不可欠な用途(クリティカルユース)の考え方に基づき、既存のハロンを回収・リサイクルして活用する仕組みが消防庁・環境省の関与のもとで運用されており、国内のハロンは特定非営利活動法人 消防環境ネットワークのデータベースで一元管理されています。今回のような既設のハロン設備の更新にあたって充填するハロンは、消防庁の通知上、クリティカルユースとして取り扱うこととされているため、既設設備の継続使用・更新は制度上認められています。なお、新たにハロン設備を設置する場合にクリティカルユースに該当するかどうかは、設置対象ごとに個別に判断され、最終的には管轄の消防署が判断します。

今回の工事でも、この仕組みを活用しています。具体的には、既設の貯蔵容器はハロンごと撤去して回収ルートに戻し、全国の現場から回収・リサイクルされたハロンを充填した新品の貯蔵容器(容器弁も新品)を新設しました。新規に生産できない貴重な消火剤を無駄にせず循環させながら、経年劣化する容器・容器弁は確実に新しくする——ハロン設備の更新では、この組み合わせが基本の考え方になります。

なお、ハロンの取り扱いには回収・再充填を含めた適正な管理が求められます。当社では、消防署への届出(着工届・設置届)から消防検査の立会いまで含めて、一貫して対応いたします。

「うちのハロン設備もそろそろ更新?」とお悩みのオーナー様・管理会社様へ

チヨダ防災では、現地調査・お見積りを無料で行っています。点検と更新の費用比較のご相談も承ります。

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写真で見るハロゲン化物消火設備の構成機器と交換の様子

ハロゲン化物消火設備は、消火剤の貯蔵容器だけでなく、火災の感知・起動・警報・表示を担う多くの機器で構成されています。今回の工事で交換した主な機器を写真でご紹介します。

制御盤

ハロゲン化物消火設備(ハロン1301)の制御盤の交換作業中の様子(東京都板橋区のマンション)

制御盤の交換中です。制御盤は、感知器からの火災信号や起動装置からの信号を受けて、警報の発報や消火剤の放出をコントロールする、設備の中枢となる機器です。

交換が完了したハロン消火設備の制御盤

制御盤の交換が完了しました。

非常電源装置(蓄電池設備)

ハロン消火設備の非常電源装置(蓄電池設備)

非常電源装置(蓄電池設備)です。停電時でも設備が作動できるよう、電源を確保するための装置です。蓄電池は経年で確実に性能が低下するため、設備更新の際には必ず状態を確認します。

手動起動装置(操作箱)

ハロゲン化物消火設備の手動起動装置(操作箱)

手動起動装置(操作箱)です。防護区画の出入口付近に設置され、人が火災を発見した際に手動で設備を起動するための装置です。放出を一時停止するための操作もここで行います。

起動装置(起動用ガス容器)

ハロン1301消火設備の起動装置(起動用ガス容器)

起動装置(起動用ガス容器)です。起動信号を受けてガスの圧力で貯蔵容器の容器弁を開放する役割を担います。起動用ガス容器の容器弁も、安全性点検の対象です。

放出表示灯

ハロゲン化物消火設備の放出表示灯

放出表示灯です。防護区画(駐車場)の出入口の上部に設置され、消火剤が放出されたことを外部に知らせて、区画内への立ち入りを防ぎます。

音声警報スピーカー

ハロゲン化物消火設備の音声警報スピーカー

音声警報スピーカーです。消火剤の放出前に音声で退避を促し、区画内にいる人の安全を確保するための重要な機器です。

更新時期の考え方——設置後20年を過ぎたら計画を

容器弁の安全性点検の期限は設置後30年ですが、「30年になってから考える」のはお奨めできません。理由は次のとおりです。

  • 安全性点検は容器をメーカー工場へ持ち込む必要があり、実施には準備と期間を要します。
  • 制御盤・蓄電池・配線など周辺機器も同時期に更新時期を迎えていることが多く、部分的な対応を繰り返すより一式更新のほうが結果的に費用を抑えられる場合があります。
  • 古い設備は交換部品の生産が終了していることが多く、故障してからでは修理できないことがあります。

そのため当社では、設置後20年を経過しましたら更新時期が近づいているものとして、設備更新の計画を立案していただくことをお奨めしています。マンションの長期修繕計画への組み込みや、点検と更新の費用比較についてもご相談ください。

よくあるご質問

Q. ハロン1301は生産中止と聞きましたが、今も使えるのですか?

A. 使えます。生産は1994年以降行われていませんが、使用が禁止されたわけではありません。必要不可欠な用途(クリティカルユース)の考え方に基づき、回収・リサイクルされた既存のハロンを活用する仕組みが維持されており、既設のハロン設備の更新にあたって充填するハロンはクリティカルユースとして取り扱われるため、継続使用・更新が可能です。今回の工事のように、リサイクルされたハロンを充填した新品の貯蔵容器へ更新することが可能です。

Q. ハロン1301消火設備の更新費用はいくらですか?

A. 今回の施工事例では665万5,000円(税込・2020年施工当時)でした。ただし、工事費用は施工時の物価のほか、貯蔵容器の本数、防護区画の数や広さ、制御盤・非常電源装置などの機器構成、施工条件によって大きく変わります。現地調査のうえ、無料でお見積りいたします。

Q. ハロン1301の設備は、設置後30年を経過したら必ず交換しなければいけませんか?

A. いいえ。設置後30年を目安に求められているのは「交換」ではなく、容器弁の安全性点検です。安全性点検を実施して継続使用するという選択肢もあります。ただし、点検には容器の工場搬出と代替機器の仮設が必要になるため、周辺機器の老朽化も踏まえて設備更新を選択されるケースが多くあります。どちらが合理的かは設備の状態によりますので、現地調査のうえご提案いたします。

Q. 容器弁の安全性点検をしないとどうなりますか?

A. 点検基準に定められた期限までに実施されない場合、消防法に定める消防用設備等の点検・報告の義務との関係で問題となるおそれがあります。また、容器弁の劣化に気づかないまま放置すると、火災時に消火剤が放出されないおそれがあります。具体的な取扱いは建物の用途や設備の状況により異なりますので、管轄の消防署または当社にご確認ください。

Q. 容器弁の点検と設備の更新は、どちらを選ぶべきですか?

A. 容器弁の点検は容器をメーカー工場へ送る必要があり、その間は代替の容器・機器を仮設しなければなりません。こうした負担から、当社の施工経験では、点検ではなく容器ごとの交換を含む設備更新を選択されるお客様がほとんどです。特に設置後30年前後の設備では、制御盤や蓄電池など周辺機器も更新時期を迎えているため、一式更新が合理的なケースが多くあります。現地調査のうえ、建物の状況に合わせてご提案いたします。

Q. 工事中、駐車場や建物は使えますか?

A. 工事の内容や範囲によりますが、今回の工事は2日間で完了しています。作業の際に車両の移動をお願いする場合がありますが、入居者様への影響が最小限になるよう、日程・時間帯を調整のうえ施工いたします。

ハロゲン化物消火設備の点検・更新はチヨダ防災へ

チヨダ防災株式会社は1976年の創業以来、東京都(新宿本社/町田支店)、神奈川県(横浜本社)、埼玉県(川口市)、千葉県(市川市)を拠点に、消防設備の点検・工事を自社施工で行ってまいりました。

板橋区に限らず、東京23区・多摩地域をはじめ、神奈川県・埼玉県・千葉県のハロン消火設備についても、現地調査から更新工事、消防署への届出・消防検査の立会いまで一貫して対応しています。「設置から20年以上経っている」「容器弁の点検について指摘を受けた」「ハロン設備の更新ができる業者が見つからない」——そのような場合は、まずは現状の確認からお手伝いいたします。現地調査・お見積りは無料です。

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