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「火災受信機をオーナー宅内から共用部へ移設|誤作動が続く自動火災報知設備を一斉リニューアル【東京都新宿区の施工事例】」

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「火災受信機をオーナー宅内から共用部へ移設|誤作動が続く自動火災報知設備を一斉リニューアル【東京都新宿区の施工事例】」

公開日:2026年8月29日

この記事の要点

  • 東京都新宿区・築33年・3階建て(エレベーター付き)共同住宅の施工事例です。
  • 工事のきっかけは、機器の経年劣化に伴う誤作動の頻発です。
  • 火災受信機をオーナー様宅内から共用部分へ移設。在宅していなくても対応できる体制になり、受信機から離れられず遠出がしにくいというオーナー様のご負担も解消されました。
  • 火災受信機・総合盤・感知器・室外表示灯を一斉に交換しました。
  • 現地調査から着工届・設置届の作成、消防検査の立会いまで当社が一括対応しました。
  • 工事金額は242万円(税込)です。※建物規模、設備構成、配線の劣化状況、施工範囲により費用は異なります。

この記事の監修者

綿貫 和馬(チヨダ防災株式会社)

消防設備士 甲種第4類・第5類/乙種第6類、第二種電気工事士

本記事の工事は、監修者の綿貫が現地調査からお見積り・施工まで担当しました。

「自動火災報知設備の誤作動が続いている」「火災受信機がオーナーの部屋の中にあって、外出するのも気が重い」——こうしたお悩みはありませんか。

本記事では、東京都新宿区の築33年・3階建て共同住宅で実施した、自動火災報知設備の一斉リニューアルと、火災受信機のオーナー様宅内から共用部分への移設工事をご紹介します。誤作動の解消はもちろん、「火災や機器の障害が起きるたびにオーナー様が自宅で受信機を操作しなければならない」という長年の不便が、この工事で解消されました。

工事の概要

工事概要の一覧
所在地 東京都新宿区
建物 3階建て・エレベーター付きの共同住宅(築33年)
工事内容 自動火災報知設備のリニューアル(火災受信機の交換・共用部分への移設、総合盤・感知器・室外表示灯の交換)
工事のきっかけ 機器の経年劣化に伴う誤作動の頻発
工期 出向7回(入居者様のご都合に合わせて日程を調整しながら実施)
工事金額 242万円(税込)
※建物規模、設備構成、配線の劣化状況、施工範囲により費用は異なります。詳しくは現地調査のうえ、お見積りいたします。

工事のきっかけ|経年劣化による誤作動の頻発

今回の工事のきっかけは、自動火災報知設備の誤作動が頻発するようになったことでした。火災でもないのに非常ベルが鳴る状態が続くと、入居者様の不安や不信につながるだけでなく、「また誤作動だろう」と本当の火災のときに警報が信用されなくなる、という大きなリスクがあります。

誤作動の主な原因は、感知器や受信機の経年劣化です。感知器は内部の部品が古くなると、湿気や温度変化などのわずかな環境の変化に過敏に反応してしまうことがあります。ほこりや結露、配線の劣化が原因となる場合もあるため、現地調査で原因を確認したうえで最適な改修方法をご提案します。実際に取り外した感知器は、樹脂のベース(取付台)が割れてしまうほど劣化が進んでいました。

交換のため取り外した経年劣化した火災感知器。樹脂ベースが割れているものもある(東京都新宿区の共同住宅)

取り外した旧感知器。樹脂のベースが割れているものもあり、劣化が進んでいました。

誤作動が続く設備は、部分的な修理を繰り返すよりも、感知器・受信機を含めて一斉に交換するほうが、劣化による誤作動の原因をまとめて解消できます。今回は、オーナー様とご相談のうえ、自動火災報知設備を一斉にリニューアルすることになりました。

火災受信機がオーナー様宅内にあることの不便

この建物にはもう一つ、長年の課題がありました。火災受信機が、オーナー様のお住まいの中に設置されていたことです。

オーナー様宅内に設置されていた交換前の火災受信機(P型・経年劣化により誤作動が頻発)

交換前の火災受信機。オーナー様のお住まいの中に設置されていました。

火災受信機は、建物内の感知器や発信機からの信号を受けて、火災の発生場所を表示し、ベルを鳴らす「自動火災報知設備の心臓部」です。受信機がオーナー様宅内にあると、次のような不便が生じます。

  • 火災や誤作動でベルが鳴るたびに、オーナー様ご自身が受信機を操作(音響停止・復旧など)しなければならない
  • 機器の障害(断線・電池切れなど)の警報が出たときも、宅内でしか確認できない
  • オーナー様がご不在のときは、消防隊や点検業者が受信機を確認できない
  • 受信機から離れられないという心理的な負担から、旅行などの遠出がしにくい

特に誤作動が頻発していたこの建物では、鳴るたびにオーナー様が対応しなければならず、ご負担は相当なものでした。そこで今回のリニューアルにあわせて、火災受信機を共用部分へ移設することをご提案しました。

火災受信機を共用部分へ移設

屋外の共用部分に、格納箱に収めて設置

新しい火災受信機は、P型1級受信機(壁掛型)を採用し、共用部分の外壁に設置しました。屋外への設置となるため、雨風から機器を守る専用の格納箱(プラボックス)に収めて取り付けています。扉を開ければ、関係者がすぐに火災の発生場所を確認し、操作できます。

共用部分の外壁に格納箱(プラボックス)で設置した新しいP型1級火災受信機(東京都新宿区の共同住宅)

移設後の火災受信機。共用部分の外壁に、防雨用の格納箱に収めて設置しました。

火災受信機の操作スイッチは、床面から0.8m以上1.5m以下の高さに設けることが消防法令で定められています。設置の際は、操作部の高さを実測して基準を満たしていることを確認するとともに、誰もが監視・操作しやすい位置になるよう調整しながら取り付けています。

新しい火災受信機の操作部の設置高さをメジャーで確認している様子

操作部の高さを確認しながら設置します。

移設で解消されたこと

受信機を共用部分へ移設したことで、次のように改善されました。

  • 火災・障害の発生時に、管理会社や点検業者などが、オーナー様の在宅状況に左右されずに受信機を確認・操作できる
  • オーナー様がご自宅で受信機を操作する必要がなくなり、安心して外出・遠出ができるようになった
  • 半年に1回の消防設備点検の際も、何度も長い時間、受信機のある居室に立ち入る必要がなく、点検を行うことができる

なお、火災受信機の移設は配線の敷設をともなう工事のため、既存の配線状況の調査と、移設後の位置の検討が重要です。当社では、新宿区の別の建物でも受信機を居室内から共用部分へ移設する工事を行っています。詳しくは、同じ新宿区で行った築35年・7階建ビルの消防設備まとめて改修の施工事例(火災受信機の共用部移設)をご覧ください。

総合盤・感知器・室外表示灯も一斉に交換

受信機の交換・移設にあわせて、各階の総合盤、各室の感知器、各住戸玄関先の室外表示灯も一斉に交換しました。

今回交換した機器の一覧
機器 内容
P型1級火災受信機(壁掛型) 交換+共用部分へ移設(防雨用の格納箱に収納)
P型1級総合盤(埋込・防雨型) 発信機・表示灯・地区音響装置(ベル)を交換
差動式スポット型感知器(2種) 居室などの熱感知器(室外表示灯回路付)
定温式スポット型感知器(1種防水) 水まわりなどの熱感知器(室外表示灯回路付)
光電式スポット型感知器(2種) 階段・エレベーターシャフト上部などの煙感知器
室外表示灯 各住戸の玄関先に設置する表示灯

総合盤(発信機・表示灯・ベル)の交換

総合盤は、火災を見つけた人が押す発信機(押しボタン)、設置場所を示す表示灯、火災を知らせる地区音響装置(ベル)をひとつにまとめた機器収容箱です。今回は屋外に面した共用部分に設置するため、防雨型の総合盤を採用しました。

交換前の総合盤。スピーカー・表示灯・発信機が経年劣化していた

交換前の総合盤。

交換後の防雨型総合盤と、格納箱に収めた火災受信機(共用部分の外壁)

交換後の総合盤(左)と、移設した火災受信機(右)。

交換後の総合盤の発信機を押して作動を確認している様子。表示灯が赤く点灯している

発信機を実際に押して、受信機への信号とベルの鳴動を確認します。

総合盤の役割や交換のポイントについては、総合盤交換の施工事例(神奈川県相模原市)で詳しく解説しています。

感知器の交換

経年劣化した感知器を更新するため、建物全体の感知器を交換しました。居室には差動式(温度の急な上昇に反応)、キッチンや水まわりには定温式防水型(一定の温度に達すると反応)、階段やエレベーターシャフトの上部など煙がたまりやすい場所には光電式(煙に反応)と、場所に応じた種別の感知器を設置しています。

交換後の差動式スポット型感知器の加熱試験。作動して確認灯が赤く点灯している

交換後の感知器は、加熱試験器で1箇所ずつ作動を確認します。

エレベーターシャフト上部の光電式スポット型感知器(煙感知器)の加煙試験の様子

階段やエレベーターシャフトの上部など煙がたまりやすい部分には、熱感知器よりも早く火災を感知できる煙感知器が設置されており、加煙試験器で作動を確認します。

室外表示灯の交換|どの住戸で感知器が作動したかが一目でわかる

室外表示灯は、各住戸の玄関先に設置する小さなランプで、その住戸内の感知器が作動すると赤く点灯します。共同住宅では、廊下側から住戸の中の様子はわかりません。室外表示灯があることで、駆けつけた人や消防隊が「どの住戸で感知器が作動したのか」を廊下から一目で特定できます。

誤作動の際にも、原因となった住戸をすぐに絞り込めるため、復旧までの時間短縮につながる、共同住宅で特に有効な機器です。今回は、感知器を「室外表示灯回路付」のタイプで交換するとともに、室外表示灯本体もすべて新しくしました。

交換前の室外表示灯。金属プレートの古いタイプ

交換前の室外表示灯。

交換後の室外表示灯が赤く点灯し、作動表示を確認している様子

交換後の室外表示灯。住戸内の感知器の作動と連動して点灯することを確認します。

工事後の試験と消防署への届出

火災表示試験・断線確認と絶縁抵抗測定

機器の取り付けが終わったら、受信機で警戒区域ごとに火災表示試験を行い、表示・音響が正しく作動することを1回線ずつ確認します。

新しい火災受信機で回線ごとに火災試験を実施している画面表示

受信機の火災試験。回線ごとに作動を確認します。

受信機の端子から共通線を引き抜き、断線表示が出ることを確認する試験の様子

共通線を端子から引き抜いて、断線表示が出ることを確認します。正しく断線が表示されれば、感知器が正しく接続されていることになります。

また、配線の状態を確認するため、絶縁抵抗計による絶縁抵抗測定も実施し、数値で健全性を確認しています。警報設備は「鳴ればよい」のではなく、測定数値で裏付けを取ることが確実な工事につながります。

絶縁抵抗計(KEW3442)で自動火災報知設備の配線の絶縁抵抗を測定している様子

絶縁抵抗計で配線の絶縁抵抗を測定します。

着工届・設置届の作成と消防検査の立会い

自動火災報知設備の交換・移設のように、甲種消防設備士でなければ行えない工事では、工事に着手する10日前までに着工届を、工事完了後4日以内に設置届を消防署へ提出し、消防検査を受けます。今回も、着工届・設置届の作成から消防検査の立会いまで、当社が一括して対応しました。

当社は地元の新宿消防署に消防設備業の届出を行っており、日頃からよく出入りしています。受信機の設置場所のような判断が必要な事項も、消防署への確認・相談からお任せいただけます。また、今回の建物は当社の新宿本社からすぐの場所にあります。工事中はもちろん、工事後に万一気になることがあった場合も、すぐに駆けつけられる距離でお付き合いできるのは、地元の建物ならではの安心です。

工事金額

今回の工事金額は、242万円(税込)です。火災受信機の交換・移設、総合盤・感知器・室外表示灯の交換、消防署への届出、試験調整までを含んだ金額です。

※建物規模、設備構成、配線の劣化状況、施工範囲により費用は異なります。詳しくは現地調査のうえ、お見積りいたします。現地調査・お見積りは無料です。

よくあるご質問

Q. 火災受信機が自宅・居室内にあるのですが、共用部分へ移設できますか?

A. 可能です。火災受信機は、建物の用途や設備構成、消防法令上の基準等を確認したうえで、監視・操作しやすく、適切に管理できる場所へ設置することが重要です。移設は配線の敷設をともなう工事となり、消防署への届出(着工届・設置届)と消防検査が必要です。当社では既存配線の調査から届出・検査対応まで一括で対応します。

Q. 自動火災報知設備の誤作動が続いています。原因は何ですか?

A. 自動火災報知設備の誤作動には、感知器や受信機の経年劣化のほか、配線の劣化、湿気やほこりなどの設置環境など、さまざまな原因が考えられます。誤作動のたびにベルを止めるだけの対応を続けると、本当の火災のときに警報が信用されない危険があります。誤作動が繰り返される場合は、まず点検業者による原因調査を行い、劣化が進んでいる場合は機器の更新をおすすめします。

Q. 室外表示灯とは何ですか?

A. 共同住宅などで各住戸の玄関先に設置するランプで、その住戸内の感知器が作動すると点灯します。廊下側から「どの住戸で感知器が作動したのか」を一目で特定でき、火災時の確認や誤作動時の復旧を早めるのに役立ちます。

Q. 工事中も建物に住み続けられますか?

A. 今回の工事では、入居者様にお住まいいただいたまま施工しました。住戸内の感知器交換は1住戸ずつ短時間で行い、入居者様のご都合に合わせて日程を調整しています。建物の状況や工事内容によって施工方法・日程は異なりますが、当社は消防設備点検で日頃から入居者様との日程調整を行っており、調整業務に慣れたスタッフが丁寧にご連絡します。

Q. 誤作動が続く場合、部分交換と一斉交換のどちらがよいですか?

A. 原因となっている感知器が特定できていれば、部分交換で改善する場合もあります。ただし、機器全体の劣化が進んでいると、交換していない別の機器で新たな誤作動が起きることが少なくありません。誤作動が繰り返されている場合や、設置から年数が経っている場合は、受信機・感知器を含めた一斉交換をおすすめします。配線の絶縁抵抗測定などで劣化状況を確認したうえでご提案します。

Q. 工事中、警報設備は使えなくなりますか?

A. 交換作業中は、作業している範囲で一時的に機能が停止する時間帯が生じます。停止する範囲と時間を最小限に抑え、作業の区切りごとに作動する状態へ復旧しながら進めますので、ご安心ください。

まとめ

今回は、東京都新宿区の3階建て共同住宅で実施した、自動火災報知設備の一斉リニューアルと火災受信機の移設工事をご紹介しました。誤作動の頻発という設備の問題と、「受信機がオーナー様宅内にあって離れられない」という運用の問題を、一度の工事でまとめて解消できた事例です。

火災受信機の設置場所は、建物を建てた当時のまま見直されずにいることがほとんどです。「誤作動が続いている」「受信機の場所が不便」と感じている場合は、機器の更新にあわせて設置場所を見直す絶好の機会です。

チヨダ防災株式会社は、1976年の創業以来、東京都(新宿本社/町田支店)、神奈川県(横浜本社)、埼玉県(川口市)、千葉県(市川市)の各拠点で、消防設備の点検・工事を自社施工で行っています。現地調査・お見積りは無料です。自動火災報知設備の誤作動や受信機の移設でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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