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消防設備をまとめて改修した費用と流れ|火災受信機の共用部移設・放水口格納箱のステンレス化【東京都新宿区・築35年7階建ビルの施工事例】

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消防設備をまとめて改修した費用と流れ|火災受信機の共用部移設・放水口格納箱のステンレス化【東京都新宿区・築35年7階建ビルの施工事例】

公開日:2026年9月11日

この記事の要点

  • 東京都新宿区・築35年・7階建のビルで、自動火災報知設備・連結送水管の放水口格納箱・誘導灯・非常灯・消火器・避難ハッチをまとめて改修しました。
  • 火災受信機は新しいものに交換したうえで、居室の中から共用部(屋外側の壁面)へ移設。居室の方が不在でも、受信機を確認・操作できるようになりました。
  • 連結送水管の放水口格納箱は、錆びて扉が傷んでいたスチール製からステンレス製(露出式)に全数作り替えました。
  • 工事金額:605万円(税込)。同時にご依頼いただいたことによる値引き(約151万円・税込)を含みます。
  • 着工届・設置届・防火安全技術調査票に加え、防火管理者選任届・消防計画の作成まで当社で対応しました。

監修者:髙野 大樹(チヨダ防災株式会社 千葉支店長)
消防設備の設計・施工・点検に8年従事、約3,000棟を担当。消防設備士 甲種第1類〜第5類、乙種第6類・第7類/第一種電気工事士
本記事の工事は、監修者の髙野が現地調査・お見積りから施工、消防署への届出まで担当しました。

「消防設備点検のたびに、あちこちの不良を指摘される」「受信機がテナントの中にあって、点検や誤報のときに入らせてもらうのが大変」「放水口の格納箱が錆びて、扉の塗装がはがれてきた」──築30年を超えたビルでは、こうした悩みが一度に出てきます。今回は、東京都新宿区にある築35年・7階建のビルで、消防設備を一度にまとめて改修した事例をご紹介します。中でもポイントとなった「火災受信機を共用部に出したこと」「放水口格納箱をステンレス製にしたこと」を、工事当日の写真とあわせて解説します。

工事の概要

今回のビルは、地上7階建て・築35年の建物です。共用部・各階の消防設備を一式まとめて更新しました。

工事概要(東京都新宿区)
所在地 東京都新宿区
建物 地上7階建てのビル(テナントあり)/築35年
自動火災報知設備 P型1級受信機(10回線)の交換と共用部への移設、屋外型発信機・地区ベル・表示灯の交換、感知器(差動式・定温式防水型・光電式煙感知器)の交換・移設・増設
連結送水管 放水口格納箱(露出式・ステンレス製)の全数交換
誘導灯・非常灯 LED誘導灯、LED非常灯(全台)の交換(リニューアルプレート使用)
消火器・避難器具 消火器の交換、改修用避難ハッチの交換、避難はしご(3階用)の新設
届出等 着工届・設置届・防火安全技術調査票の作成と提出、防火管理者選任届・消防計画の作成
工事金額 605万円(税込・同時依頼の値引き込み)
施工 チヨダ防災株式会社(元請け。連結送水管の放水口格納箱の一部のみ協力業者による施工、それ以外は自社施工)

この建物でこの施工になった理由

  • 築35年・地上7階建で、自火報・誘導灯・非常灯・消火器・避難器具・放水口格納箱がほぼ同時期に更新時期を迎えていた → まとめて改修
  • 受信機が居室の中にあり、不在時に確認・操作ができなかった → 共用部の屋外側壁面へ移設(防雨ボックス+区画貫通処理)
  • 屋外に面した放水口格納箱のスチールが錆びていた → 現場採寸のうえステンレス製で製作
  • 既存配線は絶縁抵抗測定で状態を確認 → 良好だったため引き替えず活用

なぜ「まとめて改修」を選んだのか

結論から言うと、設備ごとに分けて工事するより、一度にまとめたほうが費用・手間・テナント様への負担を抑えられる場合が多いためです。今回の工事では、複数の設備を同時に施工することで届出・出向・試験調整をまとめられ、約151万円(税込)の値引きにつながりました。築35年の建物では、自動火災報知設備だけでなく、誘導灯・非常灯・消火器・避難器具・連結送水管の付属品も同じように年数を重ねています。1つずつ直していくと、そのたびに消防署への届出、現地への出向、試験調整、テナント様への入室のお願いが発生します。

  • 費用面:届出費用・出向費・試験調整費・諸経費を1回分にまとめられます。今回は「同時にご依頼いただいた場合の値引き」として約151万円(税込)を見積りに反映しました。
  • 手続き面:着工届・設置届をまとめて出せるため、消防署とのやりとりも一度で済みます。
  • テナント様への負担:感知器の交換や非常灯の交換で各階に立ち入るのは1回で済みます。
  • 建物全体の安全:受信機だけ新しくても、感知器や発信機が古いままでは「火災を正しく知らせる」という設備の目的は達成されません。一式で更新することで、設備全体の信頼性をそろえられます。

ポイント1:火災受信機を共用部に移設

火災受信機を居室から共用部へ移設したことで、居室の方が不在でも受信機の確認・操作ができるようになり、誤報対応・点検・消防隊の確認がスムーズになりました。今回の工事でもっとも大きな変更が、この受信機の設置場所です。受信機は、建物のすべての感知器・発信機からの信号を受け、どの区域で火災が起きたかを表示する「自動火災報知設備の心臓部」です。これまでは居室の内部にあり、その部屋の方が不在のときは受信機を見ることも操作することもできませんでした。そこで新しい受信機に交換するにあたって、共用部である屋外側の壁面へ移設しました。

受信機を共用部に出すメリット

  • 不在時でもスムーズに対応できる:ベルが鳴ったとき、居室の方が不在でも、管理者の方や駆けつけた当社の社員が受信機を確認・操作できます。受信機が居室の中にあると、鍵が開くまでベルを止めることも火災の区域を確認することもできません。
  • 消防隊が確認しやすい:火災のとき、消防隊は受信機の表示を見てどの区域から確認すべきかを判断します。共用部にあれば、建物関係者や消防隊が到着後すぐに受信機を確認しやすくなります。
  • 点検中に居室に何度も長時間立ち入らなくて済む:半年に1回の消防設備点検では、試験のたびに受信機の操作が必要です。共用部に受信機があれば、居室に何度も長時間立ち入らずに点検を進められます。

ビル1階の屋外側タイル壁面に新設した火災受信機収納用のプラボックス(透明扉・開いた状態)。右下に移設前から使われてきた旧型の発信機・表示灯・ベルの箱が見える(東京都新宿区・築35年)

共用部の壁面に受信機を収めるボックスを新設した段階。右下には交換前の発信機・表示灯・ベルの箱が見えています。

屋外側の壁面は雨がかかるため、受信機はそのまま取り付けず、透明扉付きの防雨ボックス(プラボックス)に収めます。ボックスを先に壁面へ固定し、居室側から配線を引き出すために壁を貫通させました。貫通させた箇所は防火区画になるため、コア抜きの後に認定された区画貫通処理材(例:フィブロック)で隙間をふさいでいます。旧受信機を撤去した跡には、開口が残らないよう目隠し用のプレートを製作して取り付けました。

新設したパナソニック製P型1級火災受信機(10回線)の内部。警戒区域の表示窓に「①B1Fピット」「②1階」から「⑦6階・7階」「⑧ELV」までの区域名が貼られ、交流電源ランプが緑に点灯している

新しいP型1級受信機(10回線)。地下ピットからエレベーターまで8つの警戒区域を表示します。

新しい受信機はパナソニック製のP型1級受信機(10回線)です。警戒区域は「B1Fピット」「1階」〜「6階・7階」「ELV(エレベーター)」の8区域を使い、予備の回線を2つ残しています。扉の内側には「火災でないとき」の音の止め方と復旧の手順が図解されているため、誤報のときに管理者の方が落ち着いて操作できます。

新しい火災受信機の火災表示試験。「火災」の赤い表示と、①B1Fピットから⑧ELVまで全警戒区域の地区表示ランプが一斉に点灯している

火災表示試験。全区域のランプと「火災」表示が正しく点灯することを確認します。

新しい受信機の前で絶縁抵抗計(KYORITSU KEW3442)を使い、感知器回線の絶縁抵抗を測定している。指針は∞(無限大)側を示している

絶縁抵抗測定。指針は∞(無限大)側で、既存配線に絶縁不良がないことを確認しました。

受信機を新しくしても、天井や壁の中の配線は築35年のままです。そこで、受信機の端子で回線ごとに絶縁抵抗測定を行い、配線の絶縁が保たれていることを数値で確認しました。そのうえで、全区域の火災表示試験、感知器の加熱・加煙試験、発信機の押しボタン試験、ベルの鳴動試験までを行って完了です。受信機・感知器一式の交換の流れは、板橋区の自動火災報知設備交換の事例でも写真付きで解説しています。

ポイント2:連結送水管の放水口格納箱をステンレス製に

連結送水管は、火災のときに消防隊がポンプ車から建物の配管へ水を送り、各階の放水口にホースをつないで消火するための設備です。放水口は各階の共用部(階段まわりなど)の格納箱に収められており、このビルでは格納箱の上段に発信機・表示灯・ベルが、下段に放水口(放水弁)が組み込まれた一体型でした。

交換前:錆と塗装のはがれが進んだスチール製の格納箱

交換前のスチール製放水口格納箱。上段に旧型の発信機・赤い表示灯・ベルの丸い開口があり、扉全体に塗装のはがれと錆が広がっている(東京都新宿区・築35年)

交換前:上段に発信機・表示灯・ベル、下段に放水口を収めた一体型の格納箱。塗装がはがれ、錆が全体に回っています。

旧格納箱の上段内部。1980年代製の赤いベルと、劣化した配線の端子が見え、箱の内側にも錆の流れた跡がある

上段の内部。建物と同じ年代のベルと、劣化した配線。箱の内側にも錆が流れた跡があります。

旧格納箱の下段内部。連結送水管の放水弁(ハンドル付き・閉の表示)が配管から突き出し、箱の底に錆のかたまりが堆積している

下段の内部。放水弁はそのまま使えますが、箱の底には錆のかたまりがたまっていました。

屋外に面した階段まわりに置かれた格納箱は、雨や湿気の影響を受けやすく、スチール製では塗装がはがれた部分から錆が進みます。今回の箱も、扉の表面だけでなく内側まで錆が回っていました。格納箱は「見た目」の問題と思われがちですが、扉が開きにくくなれば消防隊の放水準備が遅れ、錆が放水口の口金に付着すればホースの接続に支障が出ます。

交換後:ステンレス製・露出式の格納箱(発信機・表示灯・ベル一体型)

旧格納箱を撤去した後の階段踊り場。壁から突き出した連結送水管の放水弁と、上部から下りてくる自火報の配線が露出している

旧格納箱を撤去した状態。放水弁と自火報の配線が残ります。この寸法に合わせて新しい箱を製作します。

新設したステンレス製の露出式放水口格納箱(養生テープ付き)。上段扉に発信機・表示灯用の丸い開口と通気ルーバー、下段扉に消防章のステッカーと取っ手がある

新しいステンレス製格納箱。上段が発信機・表示灯・ベル、下段が放水口です。

新しいステンレス製格納箱の下段扉を開けた状態。内部のステンレス板に連結送水管の放水弁が取り付けられ、箱の中はまだ新しく汚れがない

下段の内部。放水弁の位置に合わせて背板を加工し、既存の配管にぴったり収めています。

新しい格納箱の上段内部。パナソニック製の赤い地区ベル、端子台、扉に取り付けた屋外型発信機の配線が整理されている

上段の内部。新しい地区ベルと端子台、扉に屋外型の発信機を取り付け、配線をまとめました。

完成したステンレス製放水口格納箱の夜間の様子。上段の発信機を囲む赤い表示灯リングが点灯し、階段の暗がりでも位置がはっきりわかる

完成。夜間でも表示灯が発信機の位置をはっきり示します。

新しい格納箱はステンレス製(露出式)で、全数を交換しました。既製品の寸法では既存の放水弁や配線の位置に合わないため、旧箱を外したあとに改めて採寸し、現場に合わせて個別受注生産します。このため、放水口格納箱はご注文から納品まで1〜2か月程度のお時間をいただきます。上段には屋外型の発信機・表示灯・地区ベルを組み込み、旧箱と同じ「一体型」の使い方を引き継ぎました。ステンレス製はスチール製より価格は上がりますが、塗装による防錆管理の手間を抑えられ、錆による開閉不良のリスクも小さくできるため、屋外に面した場所では長い目で見て有利です。

なお、連結送水管は設置から10年を経過すると、配管の耐圧性能点検を3年ごとに行うことが定められています(消防庁告示に基づく点検基準)。これは格納箱や放水口の交換とは別に、消防設備点検の中で継続的に行う項目です。格納箱が新しくなっても配管の点検時期は変わりませんので、点検報告書で実施時期をご確認ください。

感知器・誘導灯・非常灯・消火器・避難ハッチの交換

感知器の交換(差動式・定温式防水型・光電式煙感知器)

木目調の天井に新設したスポット型感知器。加熱試験器を当てて作動させ、確認灯が赤く点灯している

新しい感知器の加熱試験。確認灯の点灯と、受信機での区域表示を一つずつ確認します。

格子模様の天井に新設したスポット型感知器。試験器で作動させ、確認灯が点灯している

別の階の感知器。天井の仕上げが異なっても、取り付け位置の基準は同じです。

感知器は設置場所に応じて3種類を使い分けました。事務室などの居室には温度の上がり方で感知する差動式スポット型感知器を、水を使う場所には定温式スポット型感知器(防水型)を、廊下や階段・エレベーター昇降路などには煙をとらえる光電式スポット型煙感知器を、それぞれ交換しています。感知器の交換・移設・増設に併せて、受信機の移設も行いました。

LED誘導灯の交換

交換前の蛍光灯タイプの誘導灯。本体が大きく、天井際に配線モールが露出している

交換前:蛍光灯タイプの誘導灯。本体が大きく、消費電力もLEDの数倍かかります。

誘導灯リニューアルプレートの取付ベースを水平器を当てて水平を確認しながら壁面に固定している

リニューアルプレートの取付ベース。水平器で水平を確認しながら固定します。

交換後のパナソニック製LED誘導灯(C級・コンパクトスクエア)。緑地に避難口のピクトグラムが点灯し、本体側面の点検スイッチを指で操作している

交換後:LED誘導灯(C級)。点検スイッチで非常時の点灯も確認します。

誘導灯はLEDのC級(小型)に交換しました。既存の器具より小さくなるため、壁に残る旧器具の跡を隠すリニューアルプレートを使い、壁や天井の補修をせずに仕上げています。取り付けの際は水平器で水平を確認し、設置後は点検スイッチで非常時(停電時)の点灯を1台ずつ確かめました。誘導灯のLED化にあたっては「防火安全技術調査票」を作成して消防署へ届け出ています。

LED非常灯の交換

交換前の非常灯(非常用照明装置)。白熱灯タイプで、模様入りのガラスグローブが天井に付いている

交換前:白熱灯タイプの非常灯。グローブを外さないと状態がわからず、バッテリーも寿命を迎えていました。

交換後のLED非常灯が点灯している。旧器具の跡をリニューアルプレートで覆い、天井を補修せずに仕上げている

交換後:LED非常灯。旧器具の跡はリニューアルプレートで覆い、天井の補修なしで仕上げます。

新しいLED非常灯のカバーを開け、点検スイッチを操作して非常点灯(バッテリーでの点灯)を確認している

点検スイッチを操作し、停電時にバッテリーで点灯することを1台ずつ確認します。

交換前の屋外共用通路の照明(角型のガラスグローブ付き器具)。屋外に面した天井に取り付けられ、グローブが曇っている

交換前:屋外に面した共用通路の照明。グローブが曇り、明るさも落ちていました。

旧非常灯を撤去した後のバルコニー天井。埋込ボックスと配線が露出している

旧器具を撤去した状態。開口と配線を確認してから新しい器具を取り付けます。

屋外に面した共用部の壁面に取り付けた防湿・防雨型の丸型LED非常灯

交換後:雨がかかる場所には防湿・防雨型のLEDを使い分けます。

非常灯(非常用照明装置)は、白熱灯タイプからLEDシーリングライト型に全台交換しました。こちらもリニューアルプレートで旧器具の跡を覆い、雨のかかる場所には防湿・防雨型を使い分けています。非常灯は停電時にバッテリーで点灯する設備のため、交換後に点検スイッチで非常点灯の確認を全台行いました。

避難ハッチの交換(5階・6階)と避難はしごの新設(3階)

交換前の避難ハッチの上蓋。スチール製の蓋全体に赤錆が広がり、バルコニー床との境目に苔が生えている(東京都新宿区・築35年)

交換前:上蓋はスチール製で、全面に錆が回っていました。

交換前の避難ハッチを直下階のバルコニーから見上げた様子。下蓋と収納されたはしごが錆で茶色く変色し、枠のまわりのコンクリートにも錆の流れた跡がある

交換前:下から見ると、はしごと下蓋の錆がはっきりわかります。錆び水が下の階に落ちる原因にもなります。

5階・6階のバルコニーにある避難ハッチは、上蓋もはしごも錆が進み、いざというときに蓋が開くか・はしごが伸びるかが心配な状態でした。今回は改修用避難ハッチ(既存の枠を活かし、内側に新しいハッチをはめ込む製品)に交換し、あわせて防水処理を行っています。

新しい改修用避難ハッチを下から見上げた様子。ステンレス製の下蓋が開き、内部に折りたたまれた新しい金属製はしごと展張機構が見える

交換後:下蓋を開けた状態。ステンレス製の枠と、折りたたまれた新しいはしごです。

展張した避難はしごの最下段とバルコニー床の間にスケールを当てて距離を測定している

はしご下端と床面の距離を測定。基準の範囲内に収まっていることを記録します。

新しい避難はしごを作業員が実際に使って降下試験を行っている。安全靴で踏み桟を踏み、はしごのたわみや固定を確認している

降下試験:社員が実際に使って、はしごの強度と固定を確認します。

交換後の避難ハッチの上蓋。ステンレス製の枠に、使用方法と警告表示の付いた新しい上蓋が収まっている(表面は保護フィルム付き)

交換後:使用方法を表示した新しい上蓋。表面の青い保護フィルムと養生テープは、防水処理を確認してから外します。

交換後は、はしごを実際に展張し、下端と床面の距離を測ったうえで、社員が使って降下試験を行います。避難器具は「設置してある」だけでは意味がなく、展張と降下が正常に行える状態であることを確認して初めて完了です。3階には、ナスカンフック式の避難はしごと格納箱、使用説明表示板を新設し、取付金具はアンカー打ち込みで固定しました。避難ハッチの交換工事の流れはこちらの記事でも写真付きで解説しています。

消火器の交換

消火器の交換作業。設置から年数の経った旧消火器の隣に、新しい業務用消火器を置いて入れ替えている

旧消火器と交換用の新しい消火器。旧消火器はリサイクルシールの手配を含めて当社で引き取ります。

消火器は粉末10型と強化液2.5型に交換し、旧消火器はリサイクルシールの手配を含めて当社で廃棄しました。本体ラベルの製造年を確認し、使用期限を迎える前に計画的に更新しています。

工事費用と「同時依頼の値引き」の考え方

今回の工事金額は605万円(税込)です。設備ごとに個別にご依頼いただいた場合の合計は約756万円(税込)でしたが、同時にご依頼いただいたことで届出・出向・試験調整・諸経費をまとめられるため、約151万円(税込)を値引きしています。

工事金額605万円(税込)に含まれるもの
区分 内容
自動火災報知設備 P型1級受信機(10回線)の交換・移設、配線・区画貫通処理、撤去跡の目隠しプレート、屋外型発信機・地区ベル・表示灯・感知器の交換と移設・増設
連結送水管 放水口格納箱(露出式・ステンレス製)の製作と全数交換工事
誘導灯・非常灯 LED誘導灯C級、LED非常灯(全台)、リニューアルプレート、取替工事費
消火器・避難器具 消火器(廃棄含む)、改修用避難ハッチと防水処理、避難はしご一式(3階用)と取付金具・設置作業
消防関係費用 着工届・設置届・防火安全技術調査票の作成と提出、消防署対応、防火管理者選任届・消防計画の作成
その他 試験調整費(絶縁抵抗測定・動作試験)、養生、消耗品・雑材料、産業廃棄物処分、現場管理費、諸経費
値引き 同時にご依頼いただいたことによる値引き(約151万円・税込)

※建物規模、設備構成、配線の劣化状況、施工範囲により費用は異なります。詳しくは現地調査のうえ、お見積りいたします。

費用の中で大きな割合を占めるのは、受信機の交換・移設(区画貫通処理を含む)、ステンレス製の放水口格納箱、そして非常灯です。放水口格納箱は既製品ではなく現場寸法で製作するため、台数が多いほど金額に影響します。逆に、今回のように絶縁抵抗測定の結果が良好で既存配線を活かせた場合は、配線引き替えの費用がかからず、総額を抑えられます。

消防署への届出と防火管理のサポート

自動火災報知設備のように甲種消防設備士でなければ行えない工事では、工事の10日前までに甲種消防設備士が着工届(工事整備対象設備等着工届出書)を、工事完了後4日以内に建物の関係者が設置届(消防用設備等設置届出書)を、管轄の消防署へ提出します。今回は自動火災報知設備・誘導灯・避難器具の3設備について設置届を提出し、誘導灯のLED化に伴う防火安全技術調査票もあわせて作成しました。設置届の提出後に行われる消防署の検査には当社が立ち会います。

さらに今回は、オーナー様のご要望で防火管理者選任届と消防計画の作成もサポートしました。設備を新しくしても、日常の管理体制が整っていなければ消防署の査察で指摘を受けます。当社は地元の新宿消防署に消防設備業の届出を行い、日常的に出入りしているため、設備工事と防火管理の両面からご相談いただけます。

新宿区で消防設備の改修をお考えの方へ

新宿区では、築年数の経過したテナントビルについて「受信機が居室やテナントの中にあって困っている」「放水口の格納箱や消火栓箱が錆びている」「点検のたびに指摘される項目が増えてきた」というご相談を多くいただきます。当社は1976年の創業以来、新宿本社を拠点に新宿区・新大久保エリアで消防設備の点検・工事を続けてきました。

  • 現地調査・お見積りは無料です。点検報告書や設備の年式がわかる写真をお送りいただければ、概算もお伝えできます。
  • 自動火災報知設備・連結送水管・誘導灯・非常灯・消火器・避難器具を1社でまとめて施工でき、設備ごとに業者を分ける必要がありません。
  • 消防設備士と電気工事士を社員が保有しており、非常灯や電源まわりの電気工事も同じ日に完了します。
  • 着工届・設置届の作成・提出から消防署対応まで一貫して対応し、防火管理者選任届・消防計画の作成もサポートします。
  • 点検から工事まで自社施工のため、点検で見つかった不良をそのまま工事につなげられます。

新宿区のビルの消防設備改修は、チヨダ防災にご相談ください

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よくある質問

Q. 火災受信機を共用部に移設しても大丈夫ですか?

受信機の設置場所には、建物の用途・規模・設備構成に応じた基準があり、防災センターや管理人室など監視・操作がしやすい場所に設けることが基本です。操作スイッチの高さ(床面から0.8m以上1.5m以下)などの基準もあります。小規模なビルでは共用部の壁面に設けることも多く、屋外側に設ける場合は防雨ボックスなどの対策が必要です。今回は、居室の方が不在のときにも対応できるよう、共用部の屋外側壁面に防雨ボックスを設けて移設しました。移設後は設置届を提出し、消防署の検査を受けています。

Q. 連結送水管の放水口格納箱だけの交換もできますか?

はい、可能です。ただし格納箱は既製品のサイズが合わないことが多く、現場で採寸して製作するため、ご注文から納品まで1〜2か月程度かかります。錆びの程度によっては塗装の塗り替えで対応できる場合もありますので、現地調査のうえでご提案します。

Q. 消防設備をまとめて改修すると費用はいくら安くなりますか?

今回の事例では、設備ごとに個別に依頼した場合の合計約756万円(税込)に対し、同時にご依頼いただいたことで約151万円(税込)の値引きとなり、605万円(税込)でした。届出費用・出向費・試験調整費・諸経費を1回分にまとめられるためです。値引き額は設備の組み合わせや規模によって変わりますので、現地調査の際に「まとめた場合」と「分けた場合」の両方をお伝えします。

Q. テナントが営業中でも工事できますか?

できます。今回も、受信機・発信機・ベル・放水口格納箱など共用部の機器は、テナント様に立ち入らずに施工しました。各階の感知器や非常灯の交換は短時間の入室が必要になるため、事前に日程を調整し、営業への影響が少ない時間帯に行います。

Q. 消防署への届出や防火管理者の手続きもお願いできますか?

はい。着工届は甲種消防設備士が、設置届は建物の関係者が届出人となりますが、いずれも書類の作成から提出、消防署の検査の立会いまで当社で対応します。防火管理者選任届や消防計画の作成についてもサポートしていますので、設備と管理体制をあわせて整えたい場合はご相談ください。

まとめ

築35年・7階建のビルで、消防設備をまとめて改修した事例をご紹介しました。ポイントは次の3つです。

  • 築30年を超えた建物では、点検結果をもとに自火報・誘導灯・非常灯・消火器・避難器具・連結送水管の付属品の状態をあわせて確認し、まとめて更新することで、費用も手間もテナント様への負担も抑えやすくなる。
  • 火災受信機を共用部に出すことで、誤報対応・点検・消防隊の確認がしやすくなる。
  • 屋外に面した放水口格納箱はステンレス製にすると、塗り替えや錆による開閉不良の心配がなくなる。

新宿区をはじめ東京23区・多摩地域、神奈川・埼玉・千葉で、古くなった消防設備の改修をお考えの方は、お気軽にご相談ください。現地調査とお見積りは無料です。

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