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非常用発電機の負荷試験を写真で解説|停電なし・約1時間半、製造29年の発電機は動いた?【東京都福生市・病院の点検事例】

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非常用発電機の負荷試験を写真で解説|停電なし・約1時間半、製造29年の発電機は動いた?【東京都福生市・病院の点検事例】

公開日:2026年11月6日(点検実施日:2026年10月15日)

この記事の要点

  • 東京都福生市の病院で、非常用発電機(80kVA・1997年製)の負荷試験を実施しました。建物を停電させず、所要時間は約1時間半です。
  • 製造から29年、累計運転時間28時間の発電機でも、定格出力の30%の負荷で30分間、電圧・周波数とも安定して運転できました。
  • 試験と同時に、潤滑油・冷却水・ラジエーターキャップの劣化が分かりました。始動用バッテリーは触媒栓が2027年1月に交換期限を迎えるため、本体の交換も含めた準備をご提案しました。
  • 負荷試験は「いざというとき動くか」の確認と「次に何を直すか」の判断を一度にできる点検です。前回いつ実施したか分からない建物は、早めの確認をおすすめします。

監修者:チヨダ防災株式会社 町田支店 宮本 昂幸

消防設備士(甲種第1類・第4類・第5類/乙種第6類・第7類)/第二種電気工事士/防火対象物点検資格者。町田支店で多摩地区の消防設備点検・工事を担当。

本記事は、監修者の宮本が全体を監修しました。

非常用発電機(自家発電設備)は、停電したときにスプリンクラー設備や屋内消火栓設備などを動かすための電源です。ところが、ふだんは止まったままで、月に一度エンジンをかける「無負荷運転」しかしていない建物が少なくありません。

本記事では、2026年10月15日に東京都福生市の病院で実施した負荷試験の様子を、写真と実際の測定値でご紹介します。製造から29年経った発電機に本当に負荷をかけたらどうなったのか、当日どんな作業をしたのか、試験と同時に何が分かったのかを、できるだけ平易にまとめました。

負荷試験の義務・頻度・罰則といった制度の話は、前回の記事「非常用発電機の負荷試験とは?義務・頻度・罰則をやさしく解説」にまとめていますので、あわせてご覧ください。

今回の点検事例の概要

表1 点検事例の概要(東京都福生市・病院)
所在地 東京都福生市
建物の用途 病院(救急指定)
発電機 ヤンマー製ディーゼル発電機 YAP80G/定格出力80kVA(64kW)・200V・50Hz
製造年 1997年(製造から29年)
設置場所 建物に付属する発電機室
試験の方式 負荷試験機(乾式・容量30kW)による疑似負荷試験 ※建物の停電なし
負荷のかけ方 定格出力の10%→20%→30%と段階的に投入し、30%で30分間運転
所要時間 約1時間半(10:00〜11:30、事前点検と復旧作業を含む)
実施体制 負荷試験を専門とする協力会社の技術者+当社社員(立ち会い・報告書の取りまとめ)
結果 異常なし。電圧・周波数とも安定して運転。潤滑油・冷却水などの劣化を確認し、次回のメンテナンスをご提案

今回の建物は、東京都福生市にある救急指定の病院です。当社が消防設備点検を担当しているお客様で、非常用発電機の負荷試験は昨年(2025年10月)に続いて実施しました。

病院は、停電しても診療と入院患者さんの安全を守り続けなければならない建物です。消防法の上でも、スプリンクラー設備や屋内消火栓設備などの消防用設備等を停電時に動かす「非常電源」として、自家発電設備が設置されています。「いざというとき本当に動くか」を確かめておく意味が、とりわけ大きい建物といえます。

東京都福生市の病院の発電機室の扉。ルーバー付きの両開き扉で、上部に換気用のガラリがある

発電機室の扉。上部と扉の下半分に換気用のガラリ(ルーバー)があります。負荷試験機はこの扉の外に設置しました。

発電機室内のヤンマー製非常用発電機YAP80Gの外観。キュービクル型の箱に収められ、側面にメンテナンス履歴のシールが貼られている

今回の非常用発電機(ヤンマー YAP80G)。左が制御盤、右がエンジンと発電機本体の扉です。

自家発電装置の認定証票。定格出力80kVA(64kW)、定格電圧200V、周波数50Hz、製造年月1997年9月、製造者ヤンマーディーゼル株式会社と記載

発電機の認定証票(銘板)。定格出力80kVA(64kW)・200V・50Hz、製造年月は1997年9月。日本内燃力発電設備協会の認定品です。

製造から29年、累計運転時間は28時間

発電機の回転計には、運転時間計(アワーメーター)が付いています。試験前の読みは27.2時間でした。製造は1997年ですから、29年間で28時間足らず。1年あたりにすると、1時間にも満たない運転です。

これは珍しいことではありません。非常用発電機は停電のときにしか本来の出番がなく、ふだんは点検のために短時間エンジンをかけるだけだからです。

発電機の計器盤。左から水温計・油温計・油圧計・回転計が並び、回転計の運転時間計は約27.8時間を示している

試験後の計器盤。右端の回転計に組み込まれた運転時間計は約27.8時間。29年間の累計がこの数字です。

エンジンの銘板。形式名4TN100TL-GH、定格出力102PS、クランク軸回転速度3000rpm、製造年月1997年4月、ヤンマーディーゼルエンジンと記載

エンジンの銘板。4気筒ディーゼルエンジン(102PS・3,000rpm)、製造年月は1997年4月です。

無負荷運転だけでは分からないこと

問題は、この短い運転時間のほとんどが「無負荷運転」だという点です。無負荷運転では、エンジンがかかるかどうかは確認できます。しかし発電機に電気的な負荷(仕事)がかかっていないため、実際に建物へ電気を送れるかどうかは分かりません。荷物を載せずにアイドリングしているトラックを見て「坂道を登れる」とは言えないのと同じです(前回の記事では、このたとえをイラストで説明しています)。

さらに、ディーゼルエンジンは無負荷や軽い負荷の運転ばかりを続けると燃焼が不完全になり、エンジン内部に未燃焼の燃料やカーボンがたまりやすくなります。負荷をかけて運転することは、「動くか」の確認であると同時に、エンジンの状態を保つ意味もあります。

では、29年間で28時間しか動いていない発電機に実際に負荷をかけたら、どうなったのか。当日の流れを順に見ていきます。

写真で見る負荷試験の流れ(当日の作業)

当日の作業は、大きく5つの段階に分かれます。協力会社の確認表にある38項目を一つずつチェックしながら進めました。所要時間は、事前点検から復旧作業まで含めて約1時間半(10:00〜11:30)です。

①事前点検(外観・油・冷却水・ベルト・バッテリー)

まず発電機室の周囲1m以内に可燃物や障害物がないか、油のにおいや漏れがないか、扉がきちんと開閉するかを確認します。次に制御盤の表示灯(制御電源・商用・充電など)を確認したうえで、運転モードを「自動」から「試験」に切り替えます。これは、ケーブルをつないで作業している間に、停電などをきっかけに発電機が不意に自動始動・切り替わることを防ぐためです。

発電機の制御盤の操作部。操作部の試験ランプが点灯している。始動・停止・負荷切替・警報停止・故障復帰・緊急停止のボタンが並ぶ

制御盤の操作部。運転モードを「自動」から「試験」に切り替えたところ(「試験」のランプが点灯)。

続いて、エンジンまわりの点検です。燃料の量と漏れ、冷却水の量と濃度、潤滑油の量と汚れ、Vベルトの張りと傷み、始動用バッテリーの状態(交換時期・腐食・液漏れ・配線)を順に見ていきます。

発電機の扉を開けたエンジンの全景。4気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ、燃料フィルター、オイルフィルター、配管類が見える

扉を開けてエンジンまわりを点検します。手前が燃料フィルターとオイルフィルターです。

オイルレベルゲージを引き抜いてペーパータオルの上に置いたところ。潤滑油が黒く汚れている

潤滑油(エンジンオイル)の点検。量は足りていますが、黒く汚れており交換時期です。

ラジエーターの注水口に冷却水の濃度計(スポイト型)を差し込み、緑色の冷却水を吸い上げて確認している

冷却水の点検。量だけでなく、濃度計で冷却水(不凍液)の濃度も確認します。

エンジンの冷却ファンとVベルトの近接写真。ベルトの張りと損傷を点検している

冷却ファンを回すVベルトの張りと傷みを点検します。

制御盤の下部に2段で据え付けられた始動用の据置鉛蓄電池。GSユアサ製で2022年1月製造のラベルがある

始動用バッテリー(据置鉛蓄電池・2022年1月製)。腐食・液漏れ・配線のゆるみがないかを確認します。

②負荷試験機の設置とケーブル接続

負荷試験機(容量30kW)を発電機室の扉の外に置き、制御電源を切った状態で、発電機の出力端子とケーブルでつなぎます。負荷試験機は、発電機が作った電気を内部のヒーター(電熱線)で熱に変えて消費する装置です。今回使ったのはファンで冷やす乾式のタイプで、水は使いません。

ポイントは、建物側の配線には一切触れないことです。発電機と負荷試験機だけをつなぐので、原則として建物は停電しません。今回の病院でも診療を止めずに試験できたのはこのためです。

発電機室の扉の外に設置した乾式負荷試験機。上面に金網付きの排気口があり、手前に接続用ケーブルが置かれている

乾式の負荷試験機(30kW)。上面の金網の下にヒーターとファンがあり、電気を熱にして放出します。

発電機室の扉口にしゃがみ、負荷試験機の端子に黒い接続ケーブルを取り付けている協力会社の技術者の後ろ姿

負荷試験を専門とする協力会社の技術者がケーブルを接続。当社社員が立ち会い、一緒に確認しながら進めます。

発電機の制御盤内部。出力用ブレーカーがONになっており、上部の端子に負荷試験機への黒いケーブルが接続されている

発電機側の接続。出力端子にケーブルをつなぎ、ブレーカーを投入します。

③始動と無負荷運転(暖機)

制御電源を入れて発電機を始動し、始動から40秒以内に電圧が立ち上がる(電圧が確立する)ことを確認します。消防庁の告示「自家発電設備の基準」では、常用電源の停電から電圧確立までの時間が40秒以内と定められています。今回は試験モードでの手動始動のため、始動操作から電圧確立までの時間で確認し、この範囲に収まっていました。始動直後の計器は、交流電圧202V・周波数51Hz・油圧0.25MPa・油温50℃・水温50℃・回転数3,000rpmでした。

並行して、表示灯に異常がないか、排気の色、油漏れ・水漏れがないかを見ます。排気は発電機室の外に出ている排気管から屋外へ放出されます。

発電機の制御盤の全景。上段に周波数計・電圧計・電流計のアナログメーターが並び、中段に操作パネル、下段に水温計・油温計・油圧計・回転計がある

制御盤の全景。上段の周波数計・電圧計・電流計と、下段のエンジン計器を見ながら運転状態を確認します。

建物の外壁から出ている発電機の排気管。ステンレス製の排気管の先端が上向きに屋外へ開口している

屋外の排気管。運転中は排気の色と煙の出方を確認します。

④負荷投入:10%→20%→30%

暖機が終わったら、負荷試験機のスイッチで負荷を段階的に入れていきます。いきなり30%をかけるのではなく、10%(7.2kW)で5分、20%(14.4kW)で5分、そして30%(19.2kW)で30分間運転しました(kWはいずれも負荷試験機の設定値です。実際の負荷は測定した電流から求め、表2に注記しています)。各段階で、クランプメーターを使って三相(R相・S相・T相)それぞれの電流を測定・記録します。

クランプメーターの表示。負荷10%投入時の電流21.79A

負荷10%:21.79A

クランプメーターの表示。負荷20%投入時の電流43.5A

負荷20%:43.5A

クランプメーターの表示。負荷30%投入時の電流58.1A

負荷30%:58.1A

各段階でクランプメーター(日置電機 CM3289)により電流を測定。30%投入時の58.1Aが、定格出力の30%以上をかけられた証拠になります。

30%の段階で実際に消費させた電力は、測定した電流と電圧から求めると約20.5kW、定格出力64kWに対して約32%でした(計算は表2の注記のとおりです)。負荷運転は、定格出力の30%以上の負荷で必要な時間(実務上30分程度)行うのが原則とされています。

⑤負荷解除・停止・復旧

30分間の運転が終わったら、負荷を解除して発電機を停止し、制御電源を切ってケーブルを外します。そして運転モードを「試験」から「自動」に戻し、表示灯(制御電源・商用・充電・自動)が正常に点灯していることを再確認します。

この「元に戻す」作業は、試験そのものと同じくらい大切です。「試験」のままにしておくと、本当に停電したときに発電機が自動で動きません。当社の社員が立ち会うのは、こうした復旧確認を二重に行うためでもあります。

最後に、燃料タンクの油面計で燃料の残量を確認し、試験で使った分の軽油を補充。実施済みシールを貼り、発電機室の扉を施錠して、お借りした鍵を元の場所に戻して終了です。

制御盤の操作部。試験終了後に運転モードを自動に戻し、自動のランプが緑色に点灯している

運転モードを「自動」に戻したところ(「自動」の緑ランプが点灯)。ここまで確認して試験終了です。

燃料タンクの油面計の覗き窓。赤い指針が燃料の残量を示している

燃料タンクの油面計。試験で使った分の軽油を補充しておきます。

発電機に貼った負荷試験の実施済みシール。2026年の10月に丸が付けられ、チヨダ防災(株)の記名がある

実施済みシール。いつ・誰が負荷試験を行ったかが、現場で一目で分かるようにしておきます。

試験結果:数値で見る「ちゃんと動いた」

測定データを表にまとめます。負荷を上げても電圧は203〜204Vで安定し、三相の電流もほぼ同じ値でバランスが取れていました。

表2 負荷投入ごとの測定値
負荷率(設定) 設定負荷(kW) 電圧(V) 電流 R相/S相/T相(A) 運転時間(記録時刻)
10% 7.20 203.4 21.79/21.63/21.72 5分(10:15〜)
20% 14.40 203.8 43.5/43.2/43.3 5分(10:20〜)
30% 19.20 203.8 58.1/58.2/58.1 30分(10:25〜)

※表が切れている場合は横にスクロールできます →
※負荷率と設定負荷は、協力会社の報告書に記載された負荷試験機の設定値です。測定した電流と電圧から求めた実際の負荷は、10%で約7.7kW、20%で約15.4kW、30%で58.1A×203.8V×√3≒20.5kW(定格64kWの約32%)と、いずれも設定値をやや上回っていました(負荷試験機はヒーター負荷のため力率1)。

表3 始動時と30分運転後の計器の値(制御盤の計器の読み)
項目 始動時 30%負荷・30分運転後
交流電圧(制御盤の電圧計) 202V 202V
直流電圧(始動用バッテリー) 14V 13V
周波数 51Hz 50.5Hz
油圧 0.25MPa 0.2MPa
油温 50℃(計器の下限) 80℃
水温 50℃ 60℃
回転数 3,000rpm 3,000rpm
運転時間計 27.2時間 27.8時間

※表が切れている場合は横にスクロールできます →

油温は50℃から80℃へ、水温は50℃から60℃へ上がりました。油圧が0.25MPaから0.2MPaに下がっているのは、油温が上がって潤滑油の粘度が下がったことによる、運転中によく見られる変化です。周波数は暖機中の51Hzから、負荷をかけた状態で50.5Hzに落ち着きました。協力会社の報告書でも「運転状態は安定」と評価されています。

ここで注目していただきたいのは油温です。始動時に50℃(計器の最小目盛)だった油温は、負荷をかけた30分間の運転で80℃まで上がりました。発電機が本当に働いたときの温度でエンジンの状態を確認できるのは、負荷をかけたときだけです。「無負荷運転では分からない」というのは、こういうことです。

製造から29年、累計運転時間28時間の発電機に疑似負荷をかけたところ、最終段階では定格出力の約32%に相当する負荷で30分間運転し、電圧と周波数が安定していることを数値で確認できました。この試験で確かめたのは「発電機が負荷を受けて、安定して電気を作れること」です。それが、停電時に消防用設備等を動かすための土台になります。

試験と同時に分かった劣化と、次に直すこと

「動いた」で終わりではありません。負荷試験は、事前点検と運転中の観察を通じて、次に手を入れるべき箇所を見つける機会でもあります。今回、協力会社の報告書で指摘されたのは次の点です。

表4 今回の点検で分かった劣化と次回のご提案
箇所 状態 ご提案
潤滑油(エンジンオイル) 黒く汚れ、経年により劣化 交換
冷却水 経年により劣化(防錆・凍結防止の性能が落ちる) 交換
ラジエーターキャップ 経年により劣化(圧力を保てなくなると冷却水が減る原因になる) 交換
フィルター類(オイル・燃料) 潤滑油・冷却水の交換に合わせて 交換
始動用バッテリー 2022年1月製。メーカー指定の触媒栓交換時期が2027年1月 交換の準備(2027年1月まで)

※表が切れている場合は横にスクロールできます →

取り外したラジエーターキャップ。ゴムのパッキンと弁の部分が経年により劣化している

ラジエーターキャップ。小さな部品ですが、冷却系統の圧力を保つ役割があり、傷むと冷却水が減る原因になります。

始動用バッテリーに貼られたGSユアサのオレンジ色のラベル。触媒栓の交換時期について、据付後5年以内に交換するよう記載され、交換時期は2027年1月迄とある

バッテリーのラベル。メーカーが指定する触媒栓の交換時期は「2027年1月迄」。本体も据付から5年近く経つため、交換の準備をご提案しました。

始動用バッテリーについて補足します。触媒栓は、充電中に発生するガスを水に戻して補水の手間を減らす部品で、メーカーは据付後5年以内の交換を指定しています。触媒栓だけを交換する方法もありますが、一般に始動用の鉛蓄電池は5〜8年程度で交換時期を迎えます。バッテリーが弱ると、エンジンがかからない=停電時に発電機が動かない、という最も困る事態になります。本体ごとの交換時期を見据えて、早めに準備しておくことをおすすめしました。

こうした劣化は、どれも「今すぐ壊れる」ものではありません。しかし放置すれば、いずれ始動不良や冷却水不足による停止につながります。負荷試験は、発電機が動くことを確認する「試験」と、次に何を直すべきかを見つける「健康診断」を一度に行うものだと考えていただくと分かりやすいと思います。壊れてから慌てて交換するのではなく、計画的に手を入れていくための材料が手に入ります。

負荷試験の日にお客様にしていただくこと

お客様にお願いすることは多くありません。今回の病院でも、診療はいつもどおり行われていました。

  • 日程の調整:建物を停電させずに行えるので、営業中・診療中でも実施できます。所要時間は2時間程度を見込んでいただければ十分です。
  • 発電機室への立入と鍵の手配:発電機室の鍵と、負荷試験機を運ぶ車両の駐車スペースをご用意ください。
  • 院内・近隣へのひと言:運転中はエンジンの音と排気が1時間ほど出ます。「発電機の点検で音が出ます」と一言掲示しておくと、問い合わせが減ります。
  • 前回の点検報告書:お手元にあれば、前回の負荷運転の実施時期を確認できます。なくても構いません。

試験後は、確認表・測定データ表・写真をまとめた報告書をお渡しします。当社が消防設備点検を担当している建物では、消防署へ提出する点検結果報告書への反映まで一貫して行います。

チヨダ防災に負荷試験を依頼するメリット

消防設備点検とセットで管理できる

発電機の負荷試験だけを別の業者に頼むと、消防設備点検の報告書との整合や、「次はいつ必要か」の管理が抜けがちです。当社は点検履歴とあわせて負荷運転の実施時期を管理し、必要な年にこちらからご案内します。年2回の消防設備点検で発電機の状態も見ていますから、小さな変化にも気づけます。

専門の協力会社と当社社員の2人体制

負荷試験機の操作と測定は、負荷試験を専門とする協力会社の技術者が行います。当社の社員は窓口・立ち会い・報告書の取りまとめを担当し、「試験モードを自動に戻したか」「鍵を元に戻したか」といった復旧確認を二重に行います。お客様の窓口は当社一本ですので、日程調整も質問も一か所で済みます。

劣化が見つかったら、その先も相談できる

今回のように潤滑油やバッテリーの交換時期が分かったら、部品交換やメンテナンスの手配もあわせてご相談いただけます。「試験をして終わり」ではなく、次に何をいつ直すかまで一緒に考えます。

東京・神奈川・埼玉・千葉の5拠点から対応

チヨダ防災は、東京都(新宿本社・町田支店)、神奈川県(横浜本社)、埼玉県(川口市)、千葉県(市川市)の5拠点で消防設備の点検・工事を行っています。今回の福生市をはじめとする多摩地区は町田支店から、都心部は新宿本社から、それぞれ近い拠点が伺います。群馬・栃木・茨城で定期点検をご依頼いただいている建物も対応可能です。

現地調査・お見積りは無料です。「そもそも負荷試験が必要な建物なのか」「前回いつやったのか分からない」という段階でも、前回の点検報告書を拝見して判断をお手伝いします。

こんな建物は早めにご確認ください

次の項目に一つでも当てはまる建物は、負荷試験の実施状況を確認しておくことをおすすめします。

  • スプリンクラー設備・屋内消火栓設備・非常コンセント設備などの非常電源として、自家発電設備が設置されている
  • 前回の負荷運転(または内部観察等)をいつ行ったか分からない、あるいは6年以上前
  • 発電機の点検は「月1回の無負荷運転」だけ
  • 発電機の製造から15年以上経っている
  • 始動用バッテリーを5年以上交換していない
  • 病院・高齢者施設・ホテル・大規模な共同住宅・店舗など、停電時にも人が多く残る建物

法令上は、予防的な保全策を講じてその記録を残していれば、負荷運転(または内部観察等)は6年に1回でよいとされています。ただ、今回の病院のように毎年負荷試験を行っている建物もあります。停電時に人の命に関わる建物では、法令上の最低限の頻度にかかわらず、毎年の実施を検討する価値があると考えています。

よくあるご質問

Q. 負荷試験の日は、建物が停電しますか?

負荷試験機を発電機に直接つないで負荷をかける方式(疑似負荷試験)では、建物側の配線には触れないため、原則として建物は停電せず、電気はふだんどおり使えます。今回の病院でも、診療を止めずに実施しました。

Q. 所要時間はどれくらいですか?

今回は事前点検から復旧作業まで含めて約1時間半(10:00〜11:30)でした。発電機の容量や設置場所(屋上・地下など)によって前後しますので、2時間程度を見込んでいただければ十分です。

Q. 騒音や排気は出ますか?

発電機の運転音と排気は出ます。排気は発電機の排気管から屋外へ放出されます。負荷試験機自体の騒音は42dB程度(報告書記載の予定騒音値)で、発電機の運転音より小さいものです。運転は1時間ほどですので、事前に院内や近隣へ一言お知らせいただくことをおすすめしています。

Q. 負荷をかけて、古い発電機が壊れることはありませんか?

負荷は定格出力の30%程度で、いきなりではなく10%・20%と段階的に上げます。試験中は技術者が油圧・油温・水温・電圧・周波数を監視し、異常があれば直ちに中止します。むしろ、無負荷運転ばかりを続けるほうがエンジン内部に未燃焼の燃料やカーボンがたまりやすく、発電機の状態を悪くします。

Q. 月1回の無負荷運転をしているので、負荷試験は不要ではありませんか?

無負荷運転は、消防法で求められる負荷運転の代わりにはなりません。無負荷ではエンジンがかかることは確認できても、発電機に仕事をさせていないため、実際に電気を送れるかどうかは分からないからです。今回の発電機も、始動時に50℃だった油温が、負荷をかけた運転で80℃まで上がりました。負荷をかけなければ、この状態は確認できません。

Q. 負荷試験は毎年必要ですか?

消防法に基づく点検では、運転性能の確認として負荷運転または内部観察等を行います。予防的な保全策(潤滑油・冷却水・バッテリーなどの定期的な交換)を講じ、その記録を残している場合は、この運転性能の点検を6年に1回でよいとされています。ただし、今回の病院のように毎年実施している建物もあります。頻度の考え方は前回の記事で詳しく解説しています。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

費用は、発電機の容量(kVA)、設置場所と搬入経路(屋上・地下など)、ケーブルの長さ、同時に行う点検や部品交換の有無によって変わります。現地調査・お見積りは無料ですので、発電機の銘板の写真や前回の点検報告書をお送りいただければ、概算をお伝えできます。

Q. 消防設備点検と一緒に頼めますか?

はい。当社は消防設備点検とあわせて、負荷試験の手配・立ち会い・報告書の取りまとめ、消防署へ提出する点検結果報告書への反映まで一括で対応します。前回の負荷運転がいつだったか分からない場合も、点検報告書を拝見して確認します。

まとめ・お問い合わせ

東京都福生市の病院で実施した非常用発電機の負荷試験をご紹介しました。製造から29年、累計運転時間28時間の発電機でも、30%の負荷で30分間安定して運転できることが数値で確認でき、同時に潤滑油・冷却水・ラジエーターキャップの劣化が分かり、始動用バッテリーは触媒栓の交換期限(2027年1月)に合わせて本体の交換も含めた準備をご提案しました。建物は停電せず、所要時間は約1時間半です。

非常用発電機は、停電のその日まで本当に動くかどうか誰にも分からない設備です。だからこそ、負荷をかけて確かめておくことに意味があります。「前回いつやったか分からない」「無負荷運転しかしていない」という建物は、まず前回の点検報告書をご用意のうえ、お気軽にご相談ください。

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対応エリア:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県(群馬・栃木・茨城の定期点検先も対応可)

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