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屋内消火栓の仕切弁接合部から漏水|屋上の高架水槽まわりの仕切弁・逆止弁と配管の交換工事を写真で解説【神奈川県横浜市港北区の施工事例】

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屋内消火栓の仕切弁接合部から漏水|屋上の高架水槽まわりの仕切弁・逆止弁と配管の交換工事を写真で解説【神奈川県横浜市港北区の施工事例】

公開日:2020年10月27日/編集公開日:2026年10月30日

この記事の要点

  • 屋内消火栓設備の屋上の高架水槽まわりの配管で、仕切弁とニップル(短い接続管)の接合部が腐食し、漏水していたため、仕切弁・逆止弁と周辺配管を交換しました。
  • 工程は「配管の切断 → 新しい弁・配管の接続 → 既存配管に合わせた塗装 → ポンプを起動しての放水試験」の4ステップで、工期は半日でした。
  • 弁まわりの漏水を放置すると、腐食の進行により接合部の損傷や漏水の拡大につながるおそれがあり、漏水箇所や設備の状態によっては配管内の充水や火災時の放水に支障が生じる可能性があります。
  • 屋内消火栓設備の弁・配管の取替えは、甲種第1類消防設備士が行う工事です。工事完了後は所轄消防署への設置届が必要で、工事の内容によっては着工届も必要になります。

監修者:川端 諒祐(チヨダ防災株式会社 横浜本社 副事業所長)

消防設備士 甲種第1類〜第5類、乙種第6類・第7類/防火対象物点検資格者/第二種電気工事士。消防設備業界歴11年。横浜本社を拠点に、横浜市を中心とした神奈川県内のビル・マンション・店舗の消防設備点検・工事を担当しています。

神奈川県横浜市港北区の築33年(2020年の施工当時)・地上10階建の複合用途ビルで、屋内消火栓設備の仕切弁・逆止弁の交換工事を行いました。交換したのは、屋上に設置された高架水槽まわりの配管に取り付けられている弁です。半年ごとの消防設備点検で、この弁の接合部から水がにじんでいることを確認したことがきっかけでした。本記事では、腐食した弁をどのように交換し、放水できる状態に戻したのかを、現場写真とあわせて解説します。

工事の概要

表1 工事概要
項目 内容
所在地 神奈川県横浜市港北区
建物用途・規模 複合用途ビル/地上10階建/築33年(施工当時)
対象設備 屋内消火栓設備(屋上の高架水槽まわりの仕切弁・逆止弁および周辺配管)
工事内容 腐食した仕切弁・逆止弁・ニップルの撤去、新しい弁・配管部材の取付け、塗装、放水試験
工事のきっかけ 消防設備点検で、仕切弁とニップルの接合部の腐食による漏水を確認
施工時期・工期 2020年10月/半日

※工事費用は建物規模、設備構成、配管の劣化状況、施工範囲により異なります。現地調査のうえ、お見積りいたします。

仕切弁・逆止弁とは?屋内消火栓設備の中での役割

屋内消火栓設備は、水源(受水槽など)・加圧送水装置(消火栓ポンプ)・配管・消火栓箱(ホース、ノズル、開閉弁)・起動装置・非常電源で構成されています。ポンプでくみ上げた水を、建物内に張りめぐらせた配管を通じて各階の消火栓まで送り届ける仕組みです。

今回交換した仕切弁と逆止弁は、このうち屋上に設置された高架水槽(補助用高架水槽)まわりの配管に取り付けられている弁です。高架水槽は、ポンプが止まっている平常時も配管の中を常に水で満たしておくための水槽で、屋上から立上り管に水を補給しています。この水槽と配管の間に、次の役割を持つ2つの弁が設けられています。

仕切弁(ゲートバルブ)

配管内の水の流れを止めたり、通したりするための弁です。ハンドルを回すと内部の板(弁体)が上下して流路を開閉します。高架水槽や弁の点検・修理のときに、配管の一部だけ水を止められるようにする役割があり、通常は「開」の状態で使用します。

逆止弁(チャッキバルブ)

水を一方向にだけ流し、逆流を防ぐ弁です。高架水槽からの配管に設けられた逆止弁は、平常時は水槽から配管へ水を補給する向きに水を流し、ポンプが起動して配管内の圧力が高くなったときには、加圧された水が高架水槽側へ逆流しないようにします。逆流すると、消火栓に送るべき圧力が逃げたり、水槽から水があふれたりするため、欠かせない部品です。

どちらも鋳鉄や青銅などの金属製で、配管とは「ニップル」と呼ばれる短いねじ込み式の接続管でつながっています。常に水に接し、かつ金属どうしのねじ込み部分であるため、経年とともに腐食が進みやすい箇所です。屋上という雨風にさらされる場所にあることも、腐食を早める要因になります。

施工前の状態:接合部の腐食による漏水

施工前の屋内消火栓設備の仕切弁。屋上の高架水槽まわりの配管で、仕切弁とニップルの接合部が腐食し、漏水している状態

施工前は、屋上の高架水槽まわりの配管で、仕切弁とニップルの接合部分が腐食し、そこから水が漏れている状態でした。ねじ込み部分は肉厚が薄くなっているうえ、配管用炭素鋼鋼管と弁の金属の組み合わせによっては腐食が進行しやすく、長年の使用で接合部から水がにじみ出るようになります。

漏水そのものは少量でも、次の点で放置できない状態でした。

  • 腐食は進行性で、接合部がさらに弱くなれば、ポンプ起動時の圧力で一気に破損するおそれがある
  • 漏水箇所や設備の状態によっては、配管内の充水や火災時の放水に支障が生じる可能性がある
  • 弁だけを外そうとしても、腐食したニップルごと固着していることが多く、部分補修では再発しやすい

このため、弁だけでなく腐食したニップルを含む周辺配管ごと交換する方針としました。

交換工事の流れ(写真で解説)

ステップ1 配管内の水抜きと配管の切断

腐食した仕切弁・逆止弁を撤去するため、屋上の高架水槽まわりの配管を切断した状態

まず消火栓ポンプが起動しないようにしたうえで、該当区間の水を抜いてから配管を切断しました。この間は屋内消火栓設備を一時的に使用できなくなることがあるため、建物の関係者の方には事前に周知し、必要に応じて巡回の強化など代替の警戒措置をお願いしています。腐食したニップルは弁と固着して外れないことが多いため、無理にねじを戻そうとせず、健全な配管部分で切断して弁・ニップルをまとめて撤去します。

ステップ2 新しい弁・配管部材の接続

新しい仕切弁・逆止弁と配管部材を取り付け、配管に接続しました。ねじ込み部にはシール材を使用し、接合部から再び漏水しないよう締付けを確認します。水の流れる向きが決まっている逆止弁は、取付方向を誤ると高架水槽からの補給や放水に支障が出るため、弁本体の矢印表示と配管の流れ方向を必ず照合します。

ステップ3 既存配管に合わせた塗装

交換した仕切弁・逆止弁と配管を、既存の配管の色に合わせて塗装した状態

新しい配管と部材を、既存の配管の色に合わせて塗装しました。塗装は見た目を整えるだけでなく、屋外に置かれる配管表面の防錆を兼ねています。

ステップ4 ポンプ起動による放水試験

屋内消火栓ポンプを起動して放水試験を行い、消火栓から正常に放水できることを確認している様子

最後に屋内消火栓ポンプを起動し、実際に消火栓から放水して、交換した弁・接合部からの漏水がないこと、および正常に放水できる状態にあることを確認しました。屋内消火栓設備は、ノズル先端で規定の放水圧力・放水量(1号消火栓であれば放水圧力0.17MPa以上0.7MPa以下・放水量130L/分以上)が得られることが求められるため、ポンプの運転状態とあわせて確認します。

表2 屋内消火栓の種類と放水性能の基準(消防法施行令第11条ほか)
種類 放水圧力 放水量
1号消火栓・易操作性1号消火栓 0.17〜0.7MPa 130L/分以上
2号消火栓 0.25〜0.7MPa 60L/分以上
広範囲型2号消火栓 0.17〜0.7MPa 80L/分以上

※表が切れている場合は横にスクロールできます →

※放水圧力は下限と上限(0.7MPa以下)の両方が定められています。いずれも建物の用途・設備方式・同時に使用する消火栓の数などに応じた適用条件があり、表の数値だけで適否を判断することはできません。詳細は消防法施行令(e-Gov法令検索)をご確認ください。

弁まわりの漏水を放置するとどうなるか

屋内消火栓設備は普段は使わない設備のため、配管まわりの小さな漏水は後回しにされがちです。しかし次のようなリスクがあります。

  • 火災時の放水に支障が出るおそれがある。漏水や腐食を放置すると、接合部の損傷や漏水の拡大につながるおそれがあります。漏水箇所や設備の状態によっては、配管内の充水や火災時の放水に支障が生じ、初期消火に影響する可能性があります。
  • 水が漏れ続ける。高架水槽まわりの漏水は、漏れた分だけ補給水(水道水)が使われ続けることになります。腐食の進行により、漏水が拡大するおそれがあります。
  • 点検結果が「不良」のままになる。消防設備点検の結果は消防署に報告する義務があり(消防法第17条の3の3)、不良箇所を改修しないまま報告を続けると、消防署からの指導や是正命令の対象になり得ます。
  • 突然の破損で緊急工事になる。腐食が進んだ接合部は、ポンプ起動時の圧力で突然破損することがあります。計画的に交換すれば済むものが、緊急対応で費用も手間も増えることになります。

消防設備点検で弁まわりの漏水やさびを指摘された場合は、早めに交換をご検討ください。

必要な資格と消防署への届出

工事に必要な資格

屋内消火栓設備は消防法上の「消防用設備等」で、その工事・整備は消防設備士でなければ行うことができません(消防法第17条の5、消防法施行令第36条の2)。必要な資格は、作業が「工事」に当たるか「整備」に当たるかで異なります。

  • 工事(設備の新設・増設・移設・取替えなど):甲種第1類消防設備士
  • 整備(既存設備の修理・部品交換など):甲種または乙種第1類消防設備士

ホースやノズル、ねじ類の交換など、消防法施行令で「軽微な整備」とされる作業は資格がなくても行えますが、弁や配管の交換はこれに当たりません。今回のように屋内消火栓設備の仕切弁・逆止弁や配管を取り替える工事は、甲種第1類消防設備士が行います。消防設備の施工経験があり、必要な資格と届出に対応できる業者にご依頼ください。

消防署への届出

屋内消火栓設備の弁・配管を交換した場合は、工事完了後に所轄消防署へ設置届(消防用設備等設置届出書)を提出する必要があります。設置届は建物の関係者(所有者・管理者など)の名義で、工事完了後4日以内に提出するものです。今回のように既存の弁を同等品に取り替える場合も対象で、本工事でも工事完了後に設置届を提出しました。

また、屋内消火栓設備は消防設備士でなければ工事できない「工事整備対象設備等」に当たるため、工事の内容によっては、甲種消防設備士が工事着手の10日前までに着工届を提出することが求められます(消防法第17条の14)。着工届の要否は交換する範囲や所轄消防署の運用によって異なるため、当社では事前に所轄消防署に確認したうえで、着工届・設置届とも関係者の方に代わって作成・提出しています。お客様に書類を作成していただく必要はありません。

よくあるご質問

Q. 弁の接合部から少し水がにじむ程度でも交換が必要ですか?

A. にじみ程度の漏水でも、腐食や接合部の不具合などが考えられるため、原因の確認が必要です。腐食は元に戻らず進行するため、放置すると漏水が拡大し、接合部の損傷につながるおそれがあります。点検で指摘された段階での計画的な交換をおすすめします。

Q. 工事中は建物の消火栓が使えなくなりますか?

A. 弁の交換中はポンプを停止し、該当区間の水を抜くため、施工範囲や設備構成によっては、その間は屋内消火栓設備を一時的に使用できなくなる場合があります。当社では作業を短時間で終えるよう段取りしたうえで、関係者の方へ事前にご案内し、必要に応じて巡回の強化など代替の警戒措置をお願いしています。工事完了後は放水試験で復旧を確認します。

Q. 弁を交換しただけでも消防署への届出は必要ですか?

A. 必要です。屋内消火栓設備の弁・配管の交換は、工事完了後に設置届(消防用設備等設置届出書)を所轄消防署へ提出する対象で、本工事でも設置届を提出しました。工事の内容によっては着工届も必要になります。当社では、必要な届出を関係者の方に代わって作成・提出していますので、お客様に書類を作成していただく必要はありません。

Q. 一般の配管業者に頼んでも問題ありませんか?

A. 屋内消火栓設備の工事・整備は消防設備士でなければ行えません。弁や配管の取替え工事は甲種第1類消防設備士が行うもので、資格不要の「軽微な整備」には含まれません。消防設備士がいない業者が施工すると法令違反となるほか、届出や放水試験が適切に行われないおそれがあります。甲種第1類の消防設備士が在籍し、消防設備業の届出をしている業者にご依頼ください。

Q. 配管全体のさびも気になります。弁だけ替えれば十分ですか?

A. 腐食が接合部に限られている場合は弁・ニップルの交換で対応できますが、配管全体の腐食が進んでいる場合は、配管の更新や耐圧試験が必要になることがあります。現地調査で配管の状態を確認したうえで、必要な範囲をご提案します。

まとめ・お問い合わせ

屋内消火栓設備の仕切弁・逆止弁は、常に水に接するねじ込み接合部であるため、経年で腐食しやすい箇所です。屋上の高架水槽まわりのように雨風にさらされる場所では、なおさらです。今回の工事では、接合部の漏水を確認した段階で弁と周辺配管をまとめて交換し、放水試験で正常に放水できる状態に戻しました。

チヨダ防災株式会社は1975年の創業以来、消防設備の点検から工事までを自社で行っています。消防設備点検で見つかった不良箇所を、同じ会社でそのまま改修できるため、別の業者に説明し直す手間がありません。屋内消火栓設備の漏水・さび・ポンプの不具合など、気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。現地調査・お見積りは無料です。

対応エリア:東京都(新宿本社/町田支店)、神奈川県(横浜本社)、埼玉県(川口市)、千葉県(市川市)を中心に、群馬・栃木・茨城の定期点検にも対応しています。

チヨダ防災株式会社 横浜本社

横浜市内・神奈川県内の建物は横浜本社が窓口です。消防設備点検で指摘された弁・配管の漏水、ポンプまわりの不具合のご相談はこちらへ。

横浜本社に電話する 045-432-4231 お問い合わせフォーム(現地調査・お見積り無料)

電話受付:平日・土曜 9:00〜19:00 / 東京都・埼玉県・千葉県の建物は各拠点(会社概要)へ

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